イボレーザー治療の経過と治療後

炭酸ガスレーザーあるいはCo2レーザーと呼ばれている機械です。

「炭酸ガスレーザー」という種類のレーザーは、通常は「ほくろ」や「イボ」などの皮膚の上にぽっこりしているものを、取るために使用します。
 

炭酸ガスレーザーというタイプの治療は「メスのように切ったり削ったりできるレーザー」とイメージして頂ければ間違いありません。

ホクロをメスで切って取る代わりに、炭酸ガスレーザーで削り取る、そんな使い方をする機器です。
 
炭酸ガスレーザー=切る・削る

炭酸ガスレーザー:フラクショナルタイプ(ベタ塗り治療)がイボ治療には最適

炭酸ガスレーザーを使うと、「切る・削る」という治療ができます。

しかも、通常の炭酸ガスレーザーと比べて、フラクショナルタイプ(ベタ塗り)治療ができると、より

・安全に
・傷になりにくく
・キレイに
 
イボの治療ができます。
 
炭酸ガス(Co2)レーザーの種類
通常のCo2
フラクショナル
(ベタ塗り)
フラクショナル
(点々)
治療の特徴
深い
浅く薄く均一
ベタ塗りを更に点々で
例えるなら
キリで深く穴をあける
かんなで薄く削る
スプレー状に薄く削る
治療できる大きさ
1㎝ほど
顔全体が可能
顔全体が可能
治療後のケア
軟膏やテープを1~2週間ほど貼る
軟膏やテープを1週間ほど貼る
塗り薬を数日程度
治療部位のメイク
1~2週間
1~2週間
翌日からOK
治療できる症状
効果
ホクロ
イボ
深いニキビ跡
脂腺腫
毛穴改善
毛穴の引き締め
ニキビ跡
治りにくいニキビ
リストカット跡
 
小じわ
目もとのたるみ
キズ痕
テカリ(皮脂が多い)
肌のハリを出す

顔の茶色い物は、シミではなく「イボ」の可能性がある

ご本人が「シミ」とお話ししてくださったところをよく見ると(写真の白丸で囲っているところ)

 

確かに、うっすら茶色の皮膚症状がみられます。

肌にできた茶色の症状=シミ と考えがちですが、もっともっと拡大してよく見ると

茶色の皮膚症状のところが、若干盛り上がっています。

この盛り上がりがあることで、この皮膚症状は脂漏性角化症(老人性疣贅)と呼ばれるイボだと診断できます。
 
顔にある、うっすらとした茶色の気になる症状

・触れた時、わずかながらでも盛り上がりがあればシミではなくてイボ
・縁取りがあまりにもはっきりしすぎている場合もイボ
・全体は盛り上がりが無くても、茶色の中に一部でも盛り上がっているところがあれば準イボ(しみ→イボになりつつある状態、治療はイボと同じ方が効果的)

シミ?イボ?顔にある茶色のぽつぽつを見極めよう

鼻の横の茶色いシミ

こちらの茶色いシミですが、目を閉じて触れるとわずかに盛り上がっていることがわかります。
 
しみ=盛り上がりは一切ない
イボ=盛り上がっている
 
それなので、こちらの茶色の皮疹は「イボ」です。
こちらの写真の方も「茶色のシミを取りたい」といらっしゃいましたが、診察すると僅かに盛り上がっている茶色の皮疹です。
 
盛り上がっているので、こちらも「イボ」
ベタ塗り治療ができる炭酸ガスレーザーでの治療がまさにおすすめのタイプ

イボの場合は、シミとは違うレーザー治療が必要

ご本人が「シミ」とお話しして下さる症状をよく見ると、「イボ」だった…という方が、40%ぐらいいらっしゃる印象です。

イボですと、シミレーザーは効果なし‥美白クリームのケアも、全く効果なし…

治療方法としては、炭酸ガスレーザー(スキャニング設定が可能な、フラクショナルタイプ)が必要になります。

フラクショナルタイプの炭酸ガスレーザーで治療した場合、下の写真のように、イボだけを薄く削り取ることができます。
しかも、たった1回で!

今までずっとメイクで隠していた手間が何だったんだろう…というくらいあっけなく治療が終わりますので、ちょっと盛り上がりがあるシミでお悩みの方、一度試してみてください。
 
※レーザー後、2週間ほど、自宅でテープを貼る処置が必要です。
※その後、赤みが消えるまで、2~3か月(体の場合、半年~1年)ほどかかります。
※経過には、個人差があります。

炭酸ガスレーザー(フラクショナル・ベタ塗り)での治療の実際

炭酸ガスレーザーでの治療は、「切る・削る」というタイプになりますので、治療に痛みを伴います。

当院では、治療個数やご希望に合わせて2種類の麻酔方法を準備しております。
ご来院
治療前の説明
洗顔、写真

麻酔(2種類の麻酔方法からチョイス!)

1.麻酔の注射: 1,2個のイボ治療や大きく盛り上がっているタイプのイボ治療の時におススメ
   
  ★メリット  注射の際の痛み以外、治療中は一切痛みを感じないので楽
         注射はすぐに効くので短時間での治療ができる
  ★デメリット 注射のチクチクとした痛みがある
         *より痛みを感じにくいよう、一般の注射針の半分以下のごく細い針を使っています。
 
2.麻酔クリーム 5㎜以下までの小さないぼを多数治療する場合におススメ(通常治療+麻酔30分)
  ★メリット  全体を一気に麻酔可能なのと、麻酔の注射の時のような痛みが無い
  ★デメリット 痛みが100%取れるわけではないので、人によっては炭酸ガスレーザー治療中にチクチクとした痛みを感じる(麻酔クリームが効くまで30分ほど治療時間が余分にかかる)
レーザー治療:数分~15分程度*治療個数による
軟膏処置・テープ貼付
治療終了
↓(テープ貼付などの処置は1週間ほど)
治療後の経過を診るために、1~2週間ほどで再診

[ イボ治療の症例経過写真 ]

通常の炭酸ガスレーザーを使わない訳

当院では炭酸ガスレーザーは、主にフラクショナルタイプのものを使用しています。

通常の炭酸ガスレーザーも、使うことができますが、当院では使いません。
 

なぜなら

・通常の炭酸ガスレーザー治療はほくろの手術などにしか利用しにくい
・炭酸ガスレーザーでほくろを治療すると皮膚癌をきちんと見分けることができない
・治療の深さが調整しにくく、予想外に傷として残る場合がある
 

という理由からです。

これらの点に関して、少し詳しく述べていきたいと思います。

炭酸ガスレーザーのメリット

通常のメスとどのような違い、メリットがあるかというと

1.メスよりも細かいものまで治療ができる
2.切りながら血を止めることができる

などがあります。

炭酸ガスのデメリット

なんだか、炭酸ガスレーザーの方がメスで治療するよりも良い気がしますが、では実際の治療の場ではデメリットもあります。

「メスと同じように使える」と言っていますが、実は炭酸ガスレーザーでの治療はガスバーナーで焦がし取る、そんな雰囲気に近いかもしれません。

それなので、メスで切ったようにホクロが取れるというよりは、表面からほくろごと焦がし取っているような治療方法になります。
 
①切除したほくろの正体を調べることができない(検査に出して皮膚癌を診断する事ができない)
②熱の影響で治療した部位の赤みが半年ほど続く
③深さの調整がしにくい
 
この3つの点で、炭酸ガスレーザーでほくろを治療する時にデメリットがあります。
特に①は大きいです。
どんなに見た目の診断が優れている医師でも、100%ほくろと皮膚癌を見分けることはできません。
実際に私も皮膚科医として20年近く診療を行っていますが、ご本人がほくろと思っているものの中で、皮膚癌というケースを経験しています。
 
症例1:30代女性 「ちょっと変なほくろだな」と若干の違和感を感じながら治療をして、検査の結果、悪性度の低い皮膚癌だった
 
症例2:20代後半女性 指にここ1年ぐらいでできたほくろ。診察した瞬間に「悪性黒色腫という悪い皮膚癌のできはじめっぽい」と感じて大学病院に紹介。実際に悪性黒色腫でした
 
症例3:50代女性 顔の中央に黒っぽいシミ。今まで他のクリニックで2度ほどレーザー治療をしたけれど変化なし。最近大きく広がってきているとのことで、こちらも悪性黒色腫を疑い、大学病院に紹介 → やはり悪性黒色腫

まとめ

これらの症例で、診断が合っていなくても、メスで切ったものを検査に出せば、100%に近い確率で診断が可能です。

また、メスで治療した場合は、しっかり深さも取り切れるので確実性が高いという事もあり、メスでのほくろ切除が優れていると考えています。