理想的なハイドロキノンの原料とは巡り合いましたが、この原料クリームやローションなどとして作るときに、大きな課題が一つあります。
「水と混ざると反応が進み、分解される」
本来ゆっくりと成分が肌の上で溶けだして、1度塗ると長時間安定して効果が続く「徐放型」という特徴を持つハイドロキノン。
・肌の上の水分と反応してゆっくり溶けでる
・溶け出るまでは刺激がない
まるで、こんがらがっている鎖がゆっくりほどけるように有効成分が顔を出します。
ここに、一気に水分が加わると…端っこからゆっくりほどけるのではなく、結合して安定化していた成分が一斉にバラバラになってハイドロキノンが肌の上に高濃度で存在してしまうことになります。
通常のゆっくり溶け出た時の濃度が1とすると一気に、10倍以上の高濃度になる危険性があり、濃度が濃ければ濃いほど、ハイドロキノンはかぶれてしまう可能性が高くなるので、危険度が増します。
当院の「しみ取りクリーム」は、さまざまな基材、クリーム、ローションなどと原料を混ぜて安全性・安定性を調べて
・ゆっくり溶けだす徐放性を保てる
・基材自体でもかぶれにくい
・有効成分がシミの部分にとどまりやすい
こういった特徴を備えた基材を採用しています。
それでも水分が少ないとはいえ含まれてはいますので、通常の工場生産のように皆様のお手元まで届くまで、最低でも1ヵ月はかかってしまう状況では僅かながら反応が進んでしまう可能性があります。
一方、院内製剤だと、医師の指示のもと必要な分だけ少量ずつ作ることが可能です。
当然、作ってすぐに皆様にお渡しする事ができるので、劣化する危険性なくお使いいただくことが可能となります。