粉瘤にオロナイン軟膏は効果があるのか?

ほくろ治療

粉瘤はどこから出てきて、なぜどんどん大きくなるのか

粉瘤は医学的には、「表皮嚢腫」と言い、表皮に関連した袋状の物という意味になります。

粉瘤は、一度できてしまうと勝手に治ることはなく、取り除くしか方法がありません。粉瘤の袋は、毛穴に関連してできるため毛穴が存在する全身のどこにでも粉瘤はできます。

粉瘤は、毛穴の入り口が塞がってしまい本来は垢となって落ちるものがどんどんたまってしまうことによってできます。

私たちの皮膚は、新陳代謝を繰り返しています。1日に6gから14gほどの角質が剥がれ落ち、1年間では何キロという量の角質が剥がれ落ちると言われています。

一般的に、皮膚にできる出来物の大きさがどんどん大きくなるのは、悪性の腫瘍を考える方が多いと思います。しかし、粉瘤に関しては本来は垢となって落ちるものが中に溜まっているだけのため悪性を考える必要はほとんどありません。

粉瘤の中身はなんなのか

粉瘤は皮膚の角質が溜まったものになります。

皮膚の角質は白っぽい色をしています。何らかのきっかけで中身が出た時に角質が押し出されることがあります。

角質がいっぱい集まると不快な臭いが生じることがあります。

粉瘤の症例

症例① 背中の粉瘤

症例② 太ももの粉瘤

粉瘤 右太もも

粉瘤を放置したらどうなるのか?

粉瘤を放置したら、癌になってしまうのではないかと考える方もいますが、その可能性はとても低いです。

しかし、粉瘤は放置するとどんどん大きくなっていきます。実際に診察した患者様の中には、野球ボールほどの大きさになるまで粉瘤を放置していた方がいらっしゃいました。

粉瘤は大きくなればなるほど、切除した際に大きな傷跡が残るというデメリットがあります。また粉瘤は感染を起こしやすいです。感染を起こすと大きく腫れてしまうため、感染が起きる前に切除することをおすすめしています。

粉瘤は炎症を起こすと急速に腫れ痛みが生じ、炎症が進むと粉瘤が破れ中の角質が一気に外に出て、出血を伴うことが多いです。粉瘤が破れると、傷口が汚くのこってしまうことが多いため、粉瘤があるなと気がついたら小さいうちに切除することをおすすめします。

オロナイン軟膏は粉瘤に効果があるのか

残念ながらオロナイン軟膏には、皮膚を溶かしたり粉瘤を小さくする成分は入っていません。オロナイン軟膏の主な成分は、消毒液のような成分になっています。

そのため、腫れた粉瘤を抑えることは難しいです。
粉瘤は皮膚の表面が塞がっていて皮膚の中の方で炎症が広がっている状態です。そのため表面に薬を塗っても炎症を抑えることは難しいのです。

粉瘤が破れてしまった場合は、オロナイン軟膏を塗るよりも、石鹸と流水でしっかりと洗い、中に溜まった角質をどんどん外に出すケアが必要になります。
粉瘤

まとめ

粉瘤にはオロナイン軟膏では太刀打ちできないため、粉瘤ができた場合は早めにクリニックを受診し切除することをおすすめします。

オロナイン軟膏は皮膚表面のトラブルには効果的のため、擦り傷や火傷に使用するのがおすすめです。

オロナイン軟膏は粉瘤に効く?