急に髪の毛が抜ける原因はストレス?やってはいけない3つのNG行動
今回は、最近増えている急に髪が抜けてしまう症状である「休止期脱毛」の際に、やってはいけない3つのNG行動についてお伝えしていきます。
休止期脱毛とは?
休止期脱毛とは、今まで抜け毛が気になっていなかった人が、ある時を境にどんどん髪の毛が抜けてしまう症状のことを言います。
「髪を洗うためにシャンプーをしたら手に大量の髪の毛がついている」「排水溝が詰まってしまうくらい髪が抜ける」「今までよりブラシでとかした時に髪がいっぱい抜けている」など、今までゆっくりと時間をかけて抜けていき、「髪の毛が減ったな」と思うのとは違い、いきなり髪が抜けるというのが「休止期脱毛」という風に覚えてもらうといいと思います。
「休止期脱毛」については、最近では全米皮膚科学会のウェブサイトでも書いてありました。
コロナウイルスへ感染した時や、急な高熱が出たときなど、長引く自粛生活でストレスが重なると、頭皮の方に影響が出るという記述がありました。
髪の毛のサイクル
髪の毛には、「成長期・退行期・休止期」3つの成長のサイクルがあります。
髪の毛全体としては約85%が1個目の成長期にあり、1~2%程が2番目の退行期、残りの15%弱が休止期という時期を経ています。そしてグルグルと成長期〜退行期〜休止期とサイクルを送っているのです。
そのため、通常でも1日100本程度は髪の毛が抜けると報告されています。
今回は高熱や体調不良で強いストレスがかかった際に、今まで成長期だったものが一気に休止期に入り、今までになく髪の毛が薄くなっているという人が多く見られているということです。
休止期による脱毛は、髪全体の85%が成長期だったのが、15%の休止期側に入ってきてしまうので、髪の毛が抜けてしまうのです。
休止期の後は、必ず成長期に戻ります。成長期に戻るまでにはやはり半年〜9ヶ月ほどかかります。その間は髪の毛が少ない状態になりがちです。
先ほどの全米皮膚科学会ウェブサイトでの報告でも、半年〜9ヶ月様子を見ていくと、抜けてしまった髪がしっかりと生えてくるという報告もされていますので、心配しないでください。
現在、急に髪の毛が抜けて「このまま抜け続けてしまうのではないか」と困っている方、今の抜け毛は一過性の髪の毛が抜ける「休止期脱毛」になります。
この休止期の脱毛は、半年〜9ヶ月程で治まってきます。少し時間がかかることだけ理解してください。
NG行動
それでは本題の「休止期脱毛の際にやってはいけない3つのNG行動」について説明していきます。
NG行動①抜けた髪の毛を数える
まず休止期の脱毛に対して一番良くないことはストレスです。ストレスがあると症状が加速してしまいますから、ストレスを感じないことが何よりも大事です。
そのストレスを感じる1番の原因が、抜けた髪の毛を数えることになります。確かに1本1本数える人は少ないかと思います。
しかし、ついついやりがちな行動として、髪の毛を洗った時に「手に髪の毛がたくさんついている・・・」や、排水溝に集まっている髪の毛を見て「こんなに抜けたんだ・・・」という風に思ってしまうことです。この行動は、数を数えているのと同じことになります。
朝起きた時に枕についている髪の毛を、1本1本手で取りながら「今日も15本も抜けてる」と数えてしまったり、ブラシでとかした時に髪の毛がごっそりついているというのも、「こんなに抜けたんだ」と気持ちを集中させるとますますストレスになってしまいます。
そのため抜けた髪の数を数える行動はNGなのです。
NGとは言っても、ついつい皆さんやってしまいます。そういう時は、発想の転換をしていきましょう。
「こんなに抜けた!」ではなく「まだこんなにある!」「あれだけ抜けても髪の毛沢山あってよかった」という感じです。ポジティブな方に考えていくことが大事になります。
NG行動②悪い未来を思い描く
NG行動2つ目は、悪い未来を思い描いて悩んでしまうことです。
「このまま抜けて、全部なくなるのではないか」「本当に抜けるのが止まるのか」と不安に感じて、未来を悪い方に考えてしまうのはNGになります。
実際に休止期の脱毛というのは、2〜3ヶ月くらいは強く症状が出ます。毎日毎日確かに抜けていきます。
しかし、大体4〜5ヶ月目になると抜ける本数が減っていきます。6ヶ月も見ていただければ抜けるのが止まり、今度は生えてくる髪の毛が多くなりますので、あまり心配しないでください。
それでも心配という方は、髪の毛を束にして持っていただき、ぽんぽんと軽く引っ張って見てください。
軽く引っ張るだけで束ごと抜けてくるようであれば、とても勢いの強い脱毛症のため皮膚科を受診していただくのが良いです。
しかし束をぽんぽんと引っ張った際に、抜けたのが何本程度であれば、休止期脱毛であれば特によくあることなので気にしなくて大丈夫です。
あくまで束ごとほとんど抜けるくらいの勢いが強い時は要注意ですので、そこだけは心配してください。
束で抜けることがない方は、休止期の脱毛ですので止まってきます。
心配しないで待ちましょう。「このまま抜けたらどうしよう」「全部脱毛になってしまうのではないか」など不安になったときは、とっておきの魔法の言葉があります。
私自身も仕事のことで不安になった時に、自分に言い聞かせるのですが、「大丈夫なんとかなる」という言葉を、心の中で自分が安心するまで呟くことにしています。
「大丈夫なんとかなる」というふうに3回、4回、多いと10回くらい呟くこともあります。何度も言っている間に不安が消えていきます。
オススメの魔法の言葉なので試していただけたらとても嬉しいです。
NG行動③「脱毛班」を探してはいけない
NG行動3つ目は「脱毛斑」という10円玉くらいの円形脱毛を、探してはいけないということです。
休止期脱毛は、どこか一箇所がどんどん抜けてくるというのではなく、頭皮全体から髪の毛が抜けてくることが考えられます。
全体から抜けているため頭に触れると、全体のボリュームが減ったなと感じることが多いです。
しかし中には「円形脱毛症」と言って、10円くらいの大きさで抜けているところが所々見られることもあります。
所々抜けているところを、数を数えて探すのもやめてください。1つ目のNG行動の「抜けた髪の毛を数えないこと」というのと同じです。
「1、2個脱毛斑が見つかり、翌日見たらもう1つ見つけてしまった」さらに一週間後「もう2つできていた」などと、数を数えてしまうとどんどん悪い方向に気持ちが集中してしまいます。そのため「脱毛斑」は探さないようにして下さい。
NG行動のまとめ
②未来を想像して不安がらない。
③円形脱毛症は探さない。
とにかくストレスを溜めないで6ヶ月から9ヶ月くらい、「生えてくる」という気楽な気持ちで待っていただくのが良いと思います。
急に髪の毛が抜ける原因はストレス?やってはいけない3つのNG行動
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