お金をかけずに肝斑を治す6個の方法

できるだけお金をかけずにシミ治療をしたいと考える方は多いでしょう。シミを消そうと美容皮膚科に行くと、肝斑があるからと肝斑部分を避けてレーザーをあてたり、別の治療を提案されることがあります。

このように肝斑とシミは適切な治療方法が異なります。

これを知らずに肝斑治療をすると逆に肝斑が濃くなってしまうことも…。

この記事では、自分で肝斑を予防する方法と、お金をかけずに肝斑の改善が期待できる方法を紹介しています。

セルフケアで肝斑を何とかしたいと考えている方は参考にしてみてください。

肝斑ができる原因

肝斑(Melasma)は色素沈着の一種で、通常、顔の特定の部分に灰色または褐色のシミです。

顔の中央部、頬、おでこ、こめかみ、上唇、鼻などに現れます。

肝斑はしばしば「妊娠斑」とも呼ばれ、妊娠中に現れることが多いですが、妊娠以外の要因でも発生します。

主な特徴と情報は以下の通りです。

仕組み

肝斑は皮膚の色素細胞であるメラノサイトが過剰に活性化し、メラニン色素を生成することによって引き起こされます。この結果、肌の特定の領域が褐色または灰色に変色します。

形状

肝斑は、顔の中央部、特に額や頬、上唇周辺に現れます。斑点の境界線はぼんやりとしており、顔の左右対称に存在することが特徴です。

原因1:ホルモンバランス

女性ホルモンであるエストロゲンプロゲステロンの変動が、肝斑の発生に関連しています。

妊娠、月経、ホルモン補充療法、経口避妊薬(ピル)の使用など、ホルモンバランスの変化が肝斑を引き起こすことがあります。

原因2:紫外線

肝斑はシミの一種のため、紫外線の影響を受けやすいです。

もともと肌の奥に肝斑が存在している場所に紫外線が当たることで、紫外線によりメラニンが活性化し肝斑が濃くなって肌表面に出現する可能性が高まります。

原因3:ストレス

ストレスは女性ホルモンのバランスを乱すことがあり、肝斑の増加や悪化の原因となることがあります。

また、ストレスが原因で肌のターンオーバーが乱れ、メラニンがうまく排出されずに肝斑として肌表面に出現してしまうこともあります。

原因4:摩擦

摩擦も肌への刺激となり、肝斑の原因となります。摩擦を受けた肌は防御反応として過剰にメラニンを生成し、排出されずに肌にメラニンが蓄積されます。

また、摩擦により肌のバリア機能が低下することも肝斑の原因とされています。

肝斑のある部分をスキンケアや美容治療で刺激することは、逆に肝斑を悪化させる原因となるので肝斑のある部位は慎重にケアすることが大切です。

肝斑は予防できる?

肝斑は生活習慣の見直しで予防が可能です。肝斑予防に効果的な方法は4つあります。

シミ

ホルモンバランスを整える

ホルモンバランスを整えることが肝斑の予防に役立ちます。ホルモンバランスを整えるには、上質な睡眠・バランスのとれた食事、適度な運動で身体を快適な状態に保つことがおすすめです。

また、大豆イソフラボンやエクオールは女性ホルモンによい影響を与える栄養素です。大豆製品に多く含まれる成分なので、積極的に取り入れると良いでしょう。

紫外線対策

紫外線は肝斑を濃く浮き上がらせる原因となるため、紫外線予防も徹底してください。日焼け止めだけでなく、帽子・サングラス・日傘の活用も肝斑の予防にはおすすめです。

紫外線は曇りの日や屋外でも降り注いでいます。出かけない日や天気の悪い日も、日焼け止めだけは塗ることを習慣にするのがおすすめです。

強い摩擦を避ける

洗顔やスキンケア時に肌に強い摩擦を与えないように注意してください。洗顔はやさしく行い、タオルで拭く際も擦らずに押さえるようにしましょう。スキンケアには保湿を含め、基本的なスキンケアをしっかり行うことが大切です。

スキンケアは肌の深部に作用するわけではありませんが、肌の保護と健康維持に役立ちます。

ストレスを解消する

ストレスはホルモンバランスに影響を与えることがあるため、適切なストレス解消方法を見つけましょう。

適度な運動、趣味を楽しむ、十分な睡眠をとることでストレスを軽減することが可能です。

睡眠は体に休息を与え、ストレス値が減少します。肝斑を気にしすぎて逆にストレスになることもあります。

肝斑を気にしながら日々沈んだ気分で過ごすくらいなら思い切って皮膚科医や専門医に相談することもおすすめです。

お金をかけずに肝斑を治すための方法

お金をかけずに肝斑を改善したい場合は、セルフケアで肝斑に良いものを取り入れることです。自分でできる肝斑対策を紹介します。
クレンジング

ビタミンCを摂取する

肝斑対策としてはまず、ビタミンCを含む食品を積極的にとります。ビタミンCは抗酸化作用があり、紫外線ダメージの軽減効果が期待できる栄養素です。

ビタミンCが多く含まれる食品は、アセロラ、キウイ、ブロッコリー、レモン、いちご、オレンジ、グレープフルーツ、ピーマン、ブロッコリーなどがあります。

また、サプリメントで補うこともおすすめです。ビタミンCは水溶性で体内で貯蔵されないため、常に補う必要があるのです。

食事だけで十分な量のビタミンC摂取が難しい場合は、サプリメントを活用しましょう。

内服薬・外用薬を使用する

肝斑を改善する効果が期待できる有効成分が含まれた飲み薬・塗り薬を活用するのも有効です。

おすすめの成分はビタミンC・トラネキサム酸です。ビタミンCは食品やサプリから摂取するのと同時に化粧品でも取り入れるのがおすすめです。

ビタミンC誘導体は、濃度が濃くなるほど肌への刺激が強くなり、ピリピリします。ビタミンC濃度が濃く、かつ低刺激の化粧品を選びましょう。

トラネキサム酸は、肝斑への改善効果が認められている成分です。トラネキサム酸がメラニン発生の要因となるプラスミンをブロックするためです。プラスミンは肝斑においてメラニンの生成を刺激する要因の一つであり、その働きを抑えることで肝斑の発生を制御するメカニズムです。

第一三共ヘルスケアの「トランシーノⅡ」は、トラネキサム酸・L-システイン・ビタミンCが配合された肝斑のための市販内服薬です。

医薬品は薬効が認められている部類の内服薬なので、市販のものでも肝斑の改善効果が期待できます。

皮膚科・美容皮膚科で可能なおすすめの肝斑治療

クリニックでの肝斑治療は主に4種類あります。
治療法 メリット 主成分
内服薬治療 肝斑の改善と予防が可能 トラネキサム酸、ビタミンC
ピーリング 肌全体のケアが可能施術時間・ダウンタイムが短い肌の若返りが期待できる 特定の薬剤
レーザートーニング 肝斑の改善と予防が可能シミやくすみも改善 レーザー(種類により異なる)
外用薬 効果が期待できる成分が含まれている内服薬と組み合わせて使用可能 ハイドロキノン、トレチノイン

肌に極力刺激を与えないよう治療するには、内服と外用薬がおすすめです。肝斑を刺激することなく肝斑の改善効果が期待できる成分を摂取できます。

ただし肝斑を薄くするには時間がかかり、完璧に肝斑を消せるかの保証ができないことがデメリットです。

ピーリングとレーザー治療は、肌深部に作用してメラニンの排出を促すため、肝斑への直接的な作用が期待できます。

ただし出力や摩擦が強すぎると逆効果になるので、レーザーの場合は弱い出力で根気よく治療を繰り返す必要があります。

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肝斑に関するQ&A

肝斑についてのよくある質問と回答を4つまとめました。

肝斑とシミの違い

肝斑は鼻や頬などに左右対称に現れ、薄い茶色からグレーの色のぼやけた形状をしているのに比べて、シミの出現場所は定まっておらず、紫外線の影響が強い場所に現れ、茶色でくっきりとした輪郭を持ちます。

シミと肝斑は同じ場所に混在しているケースがあることに注意が必要です。シミの治療は強いエネルギーを肌に与えるため、肝斑を悪化させる可能性があるためです。

シミと肝斑の見分けは難しいため、専門医に診断してもらうのがおすすめです。

治療期間について

肝斑の治療期間は、肝斑の状態や治療方法によって異なります。治療期間の目安は下記のとおりです。

治療法 期間目安
内服薬治療 1~2ヶ月
ピーリング 10回程度、2~3週間に1回
レーザートーニング 短期間、通常数回
外用薬 2~3ヶ月、中止後再度2~3ヶ月
肝斑は、刺激で濃くなる特性があり、強い作用での治療を避けることが推奨されます。機械を使った美容治療であっても即効性は期待せず、マイルドな出力で根気よく治療する必要があります。

飲み薬は効果がある?

トラネキサム酸配合の飲み薬は、服用を継続すれば一定の効果が期待できるとされています。肝斑治療において、内服薬として用いられるトラネキサム酸を含む薬は、肝斑の原因である皮膚のメラニン生成に直接作用するものであり、有効な治療法の一つです。

処方薬と市販薬のトラネキサム酸の含有量には差があるため、医師や薬剤師に相談して適切な飲み薬を選びましょう。

保険適用になる?

肝斑は基本的に保険適用になりません。健康保険は、生活に支障が出るほどの健康損失を治療するために適用されます。

肝斑は健康上に問題があるわけではなく、美容的な肌トラブルとカテゴライズされているため保険外治療となります。そのため費用が高くなる一方で美容治療ならではのメリットもあります。

美容治療は仕上がりの見栄えの良さも重視して治療を進めるため、傷跡や色素沈着にならないよう治療できるということです。

保険治療は、病気の治療目的のため、仕上がりの良さは重視されません。たとえば、保険適用でほくろ除去する場合、仕上がりの良さが重視されないため、跡が目立ったり、健康上問題がない範囲では取り残しがあったりします。一方美容治療の場合は、見栄えの良さも治療の一環なため、跡が残らずなめらかな肌になるまで治療ができます。

肝斑はレーザー治療で悪化する可能性も

レーザー治療はシミに有効な美容施術ですが、肝斑を悪化させる可能性があります。レーザーの出力が強いことと、肝斑とシミを区別しなかったことが原因です。肝斑は肌への刺激で浮かび上がる性質があります。

肝斑の潜んだ部位に強い出力のレーザーを当てると、肌への刺激となり肝斑が出現します。肝斑とシミは明確に区別して治療することが重要です。