ニキビやニキビ跡に悪化する理由から副作用まで/皮膚科専門医が解説

ニキビの治療薬として用いられる「ディフェリンゲル」について

①ディフェリンゲルを使用するとニキビが悪化したように感じるのはなぜ？
（ディフェリンゲルの副作用について）
②ディフェリンゲルの効果について
③ニキビに効果があるのか
④ニキビ跡に効果があるのかどうか
⑤いちご鼻に効果があるのか

の5つの項目に分けてご説明していきたいと思います。

1、ディフェリンゲルを使用すると、悪化したように見えるのはなぜ（副反応について）

ディフェリンゲルを使用していくと、使用から最初の2週間ほどは肌がカサカサしたり、赤みが出たり、ヒリヒリ感を感じることが多い少し使いずらいお薬になります。

しかし、3週間ほど使用すると身体が慣れてきて反応も落ち着いていきます。そのため、最初の2週間で少し悪化したなと感じても頑張って使用して欲しいお薬になります。

2、ディフェリンゲルの効果について

上記のような反応は効果が出ているということでもあるため、2週間ほどの副作用は頑張って我慢していただけたらと思います。

ディフェリンゲルの効果で大きいのは、毛穴が詰まったり,油分が多かったりという10代や20代の若い方のニキビには、本当に効果的な薬だと思っています。

しかし、30代の女性のニキビや、フェイスラインや顎を中心に急激に出たニキビのようなものに関しては、ディフェリンゲルを使用しない方が良いケースもあります。その辺りはクリニックを受診し医師に判断してもらうことが良いかと思います。

効果についてもう少し詳しく説明をすると、ディフェリンゲルの効果というのはいわゆる「ピーリング」のように毛穴の掃除をしてくれたり、毛穴が詰まりニキビが出そうなのを改善してくれたり、肌のザラザラを改善してくれたりします。

また、ニキビのでき始めや、腫れて毛穴が詰まった状態にもよく効くお薬のためそう言った意味でも良い薬だと思っていいます。

3、ニキビに効果があるのか

2008年にディフェリンゲルが日本で処方できるようになってから、ニキビの治療というのは大きく変わりました。
今までは抗生物質の塗り薬しかなかったのが、ディフェリンゲルが使えるようになってから、保険治療でもニキビの治療が治るようになったという意味では、ニキビに効果が高いお薬と言えます。

4、ニキビ跡に効果があるのか

残念ながらニキビ跡には効果がありません。
ニキビ跡は大きく分けて2つに分けられます。「赤いニキビ跡」と「凹んだニキビ跡」です。赤いニキビ跡に対してディフェリンゲルを塗っても全く効果がありません。

また、凹んだニキビ跡も傷跡になるため塗り薬で効果を出すのはほとんど無理なことだとは思っています。しかし、実際ディフェリンゲルよりも強い塗り薬を使用した治療を行うと、ニキビ跡がゼロになることはありませんが、硬かった皮膚が多少肌触りの良い皮膚になることがあります。

そのため、全く効果がゼロというわけではないかと思われます。

5、いちご鼻に効果はあるのか

最後にいちご鼻への効果に対してですが、ニキビの治療とは別にはなりますが、ディフェリンゲルの効果として毛穴の詰まりを取る働きがあるため、いちご鼻の鼻の毛穴に角栓が詰まっている状態を、改善してくれると考えられます。

また、顎先にザラザラした所にもディフェリンゲルを使うと、つるっとしてくれます。そう言った意味では、毛穴の広がりには効果がありませんが、毛穴の詰まりは取れるので全体として綺麗な肌に変えてくれるという意味ではオススメのお薬です。

6、ディフェリンゲルについてのまとめ

①ディフェリンゲルは、若い方の脂が多いニキビには効果が高い薬です。
しかし、フェイスラインや顎あたりに短期間で多くのニキビのようなものがでた場合は、ニキビではなくかぶれや肌荒れの可能性が高いためその場合は、ディフェリンゲルを塗っても効果がないことや逆に悪化してしまうことがあるため注意が必要です。そのため、皮膚科を受診してお薬を処方してもらってください。
②また副作用として、使用しはじめてから2週間は、肌がカサカサしたり赤みが出たりヒリヒリ間を感じることがあります。2週間が経過すると副反応は落ち着いてきますので、我慢して使用していただけたらと思います。
③ニキビに効くかに関しても、毛穴の詰まりを取ってくれるため、効果を出してくれるお薬になります。
④ニキビ跡に関しては、赤いニキビ跡には効果が全くありませんが、凹んだニキビ跡には少し肌のテクスチャーに変化をもたらしてくれるという意味ではいいのではないかなと思われます。
⑤最後にいちご鼻に関しては、ディフェリンゲルを塗ることで毛穴の詰まりを改善してくれるため、効果が高いといえます。