妊娠中に増えた首イボの治療方法。ウイルス性との見分け方と安全な対処法を解説

妊娠してから急に首まわりの「ポツポツ」が増えてきて、鏡を見るたびに気になってしまう。
ネックレスが引っかかったり、写真に写った自分の首元に目がいったりしながらも、「妊娠中に治療して大丈夫なのかな」「お腹の赤ちゃんに影響はないのかな」と不安で一歩踏み出せない方は少なくありません。
この記事では、妊娠中に増えやすい首イボの正体や、注意が必要なウイルス性イボとの見分け方、妊娠中と産後のどちらで治療するのがよいのかといった考え方までを、皮膚科専門医の視点から分かりやすく解説します。
もくじ
Toggle妊娠中に急に増える首イボ、その正体は?

ここでは、妊娠中に増えやすい首イボのおおまかな正体と、なかでも注意が必要なタイプについて整理します。
妊娠中に首の「ポツポツ」が増えやすい理由
妊娠をきっかけに、「今までほとんどなかったのに、ある日ふと鏡を見たら首にポツポツが増えていた」というご相談はよくあります。
妊婦健診の帰りに、そのまま首イボの相談で受診される方もいるほどです。
妊娠中は、ホルモンバランスの変化や体重の増加など、全身にさまざまな変化が起こります。
その影響の一つとして、首や脇、下着のゴムが当たる部分など、日常的に「摩擦が強い場所」に小さなイボが目立ってくることがあります。
この妊娠中に増える首イボの多くは、皮膚の良性腫瘍の一種である軟性線維腫やアクロコルドン(スキンタッグ)と呼ばれるタイプで、命にかかわるようなものではなく、感染性もありません。
妊娠中のイボの多くは良性のアクロコルドン(スキンタッグ)
妊娠中に首に増えてくるポツポツの多くが、アクロコルドンと呼ばれる良性のイボです。
軟性線維腫、スキンタッグなど、複数の呼び名がありますが、いずれも非常によく見られるタイプのイボです。
特徴としては、次のようなものがあります。
- 大きさは数ミリ前後の小さな突起
- 色は肌色〜茶色
- 触るとやわらかく、少しぶら下がるように飛び出していることもある
首まわり、脇の下、バストトップ周囲、ウエストや鼠径部など、日常的に「こすれる」「衣類が当たる」場所にできやすいのがポイントです。
妊娠中はホルモンバランスの変化により、もともとできやすい方で一気に数が増えたり、それまで目立たなかった小さなものが急に気になる大きさになったりすることがあります。
アクロコルドン自体は良性で、がん化の心配はほとんどなく、赤ちゃんや家族にうつるタイプのイボでもありません。
しかし、見た目のストレスや、引っかかって痛い・出血するなどの問題がある場合には、産後のタイミングを中心に治療の対象となります。
「ウイルス性イボ」の場合
一方で、首にできるイボの中には、まれにウイルスが原因となる「ウイルス性イボ」が含まれていることもあります。
代表的なのが、ヒトパピローマウイルス(HPV)による「尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)」などです。
ウイルス性イボは、増え方や見た目に次のような特徴がみられることがあります。
- 2〜4週間ほどの短期間で、一気に数が増えた
- 色が透明〜薄い肌色で、水ぶくれのようにツヤっとして見える
- 最初に出た場所を中心に、連続するように“陣地を広げる”ように増える
- タオルやマスクの紐、髪の毛・衣類がこすれるラインに沿って増えてきた
このような経過の場合は、良性のアクロコルドンではなく、ウイルス性イボの可能性があります。ウイルス性イボは家族や赤ちゃんにうつるリスクがあるため、「妊娠しているから様子を見よう」と自己判断で放置せず、早めに皮膚科で診断を受けることが重要です。
ウイルス性イボとアクロコルドンの違い

ここからは、ウイルス性イボとアクロコルドンを見分ける際のポイントを、増え方・見た目・出る場所の3つの観点から整理します。
増え方のスピードの違い
イボの増え方のスピードは大きなヒントになります。
ウイルス性イボは、ウイルスが皮膚の表面で増えることで広がっていきます。そのため、比較的短期間のうちにポツポツが増えてくることが多く、「2〜4週間くらいで、気づいたら同じ場所に同じようなプツプツがたくさん出てきた」という特徴があります。
これに対してアクロコルドンは、数か月〜年単位で、じわじわと数が増えていくことがほとんどです。
「気づいたらなんとなく増えていた」「急激というより、いつの間にか増えた印象」という場合は、アクロコルドンが疑われます。
短い期間で一気に増えたのか、時間をかけて少しずつ増えたのか。まずはこの違いに注目してみてください。
色・質感の違いで見分けるポイント
ウイルス性イボは、透明〜薄い肌色で、水ぶくれのように「みずみずしい」見た目をしていることがあり、光が当たるとツヤっとテカりやすいのが特徴です。
表面がつるっとしていて、少し丸みを帯びた小さな突起が密集しているように見えることもあります。
一方、アクロコルドンは、薄茶色〜肌色の小さなポツポツで、全体的に「色がついている」印象があります。
水ぶくれのような透明感は少なく、皮膚の一部がやわらかく盛り上がっているような見た目です。
もちろん、セルフチェックだけで完璧に見分ける必要はありませんが、「ツヤっと透明感のあるプツプツが急にたくさん出た」場合はウイルス性を疑うきっかけになります。
出てくる場所・広がり方の違い
ウイルス性イボは、最初にウイルスが入り込んだ場所を中心に、陣地を広げるように増えていく傾向があります。
たとえば、最初に左の首筋に1つでき、そこを中心に周囲に連続してプツプツが増えていく広がり方です。
タオルや髪の毛、マスクの紐がよく触れるラインに沿って、一直線や帯状に増えることもあります。
アクロコルドンは、首全体やわきの下、下着のゴムが当たる部分など、「摩擦がかかる場所」に飛び飛びで現れることが多く、特定の一点から連続的に広がるというより、「いつの間にかいろいろな摩擦部位に散らばって増えてきた」という印象になります。
どこから増え始めたのか、その後どのように広がっていったのかを振り返ると、診察の際の手がかりにもなります。
「ウイルス性かも」と思ったときの目安
次のような特徴が複数当てはまる場合は、ウイルス性イボの可能性が考えられます。
- 数週間のあいだに、同じエリアに急にポツポツが増えた
- 透明〜薄い肌色で、水ぶくれのように見える
- 最初に出た場所から、周囲に広がっている
- タオル・マスクの紐・髪などの何かが当たるラインに沿って増えている
こうした場合は、妊娠中であっても、一度皮膚科に相談することをおすすめします。ウイルス性と分かれば、赤ちゃんやご家族にうつさないための対策も含めて、適切な治療を行うことがおすすめです。
首イボがアクロコルドンの場合

ウイルス性イボの特徴には当てはまらず、「アクロコルドン」と思われる場合の、治療についての考え方をお伝えします。
多くの妊婦さんで増えている首イボ「アクロコルドン」
アクロコルドンは、基本的に「人にうつらない」良性のイボです。首や脇、鼠径部など、こすれやすい場所に出やすく、妊娠中はホルモンの変化や体型の変化に伴って目立ちやすくなる傾向があります。
赤ちゃんに触れても、良性のイボのため赤ちゃんにイボが移ることは通常ありません。
「妊娠中に首イボが増えた=赤ちゃんに悪い影響がある」というものではない、という点は安心していただいて大丈夫です。
しかし、「見た目がつらい」「引っかかって痛い・出血する」「大きめのものだけでもどうにかしたい」といったお悩みは、十分に治療の対象となります。
妊娠中にどこまで治療するか、産後にどのように計画するかを、ライフスタイルや気持ちと照らし合わせながら決めていくイメージです。
「妊娠中に取るべき?産後まで待つべき?」かどうか
多くの方が最初に気にされるのが、「妊娠中に取ってしまった方がいいのか、それとも出産してからの方がよいのか」という点です。
結論だけ先にお伝えすると、医学的な安全性と仕上がりの観点からは、「原則として産後にまとめて治療する」ほうが望ましいケースが多くなります。
ただし、妊娠中にどうしても気になる一部だけを先に取る、といった現実的な選択肢もありますので、後ほど詳しくご説明します。
妊娠中に首イボ治療について

ここでは、「原則として産後がおすすめ」とされる理由と、妊娠中に治療してもよいケースについて触れていきます。
医学的には「原則は産後」をおすすめする3つの理由
妊娠中に首イボが増えてくると、「今すぐ取った方がいいのかな」と不安になりますが、医学的な観点からは、基本的には産後に治療をすすめることが多くなります。
その背景には、次のような理由があります。
理由1:妊娠中は色素沈着の“跡”が残りやすい
妊娠中はホルモンバランスの影響で、普段よりも色素沈着が起こりやすい状態です。
そのため同じ処置を行った場合でも、妊娠していない時期と比べて、茶色っぽい跡が残りやすかったり、その跡が引くまでに時間がかかったりすることがあります。
産後はホルモンバランスが少しずつ落ち着き、必要に応じて使える外用薬の選択肢も増えるため、治療後の色素沈着ケアがしやすくなります。
「どうせ取るなら、できるだけきれいに治したい」という方は、産後に治療計画を立てることをおすすめします。
理由2:妊娠中は肌とからだのコンディションが不安定
妊娠中は、免疫や皮膚のバリア機能、血行状態などが全体的に不安定になりやすい時期です。体調や肌状態が日によって変わりやすく、「今日は大丈夫でも、明日は急にかゆみが強くなる」といったことも起こりがちです。
こうしたゆらぎやすい時期に、首イボを一度にたくさん処置すると、想定以上に赤みやかゆみが続いたり、刺激に過敏に反応してしまったりする可能性があります。
「なるべく無理をしない」「必要以上に負担の大きい処置は避ける」という意味でも、原則として産後に落ち着いてから治療を組み立てるほうが、安全性と快適さの両面で安心です。
理由3:妊娠中に増えた首イボが、ずっと“加速し続ける”わけではない
もう一つ知っておいていただきたいのが、「妊娠中に増えた首イボが、その後もずっと加速度的に増え続けるわけではない」という点です。
妊娠中のホルモン変化をきっかけに、短期間でポツポツが目立ってくることはありますが、出産後はそのスピードが落ち着き、「際限なく増え続ける」というケースは多くありません。
つまり、「今すぐ全部取らないと手遅れになってしまう」という状況ではないことがほとんどです。増え方がひと段落した段階で、どのくらい取るか・何回に分けるかを計画したほうが、通院回数や費用、ダウンタイムの見通しも立てやすくなります。
こうした理由から、多くの場合は「妊娠中に慌ててすべてを取ってしまう」のではなく
「本当に困っている一部だけ必要に応じて対処し、基本は産後に計画的に治療する」という考え方をベースに方針を決めていくことが多いです。
妊娠中に治療をするケースについて
一方で、妊娠中であっても治療を検討してよいケースもあります。たとえば、
- ネックレスや衣類に繰り返し引っかかって痛い、出血する
- 大きめのイボが引っかかり、見た目や生活上どうしても気になる
- 職業柄、首元が露出する機会が多く、強いストレスになっている
など、「ご本人の生活の質(QOL)」の低下が大きい場合です。
この場合、「全部をいま一度に取る」のではなく、「特に気になる数個だけを先に処置し、残りは産後にゆっくり考える」といった現実的な折衷案をとることもよくあります。どこまでを妊娠中に行い、どこから先を産後に回すかは、医師と相談しながら決めていくことになります。
「全部今すぐ取らなくても大丈夫」という考え方
妊娠中に首イボが一気に増えると、「このままずっと増え続けるのでは」と不安になり、「今のうちに全部取らなきゃ」と焦ってしまうこともあると思います。
実際には、出産後に増加が落ち着くケースが多く、「今あるものをいつ取るか」を考えていけばよいことがほとんどです。
仕事や育児の状況、通える頻度、痛みへの不安などは人それぞれですから、「自分のペースで少しずつ整えていけばよい」と考え、必要以上に自分を追い込まないことも大切です。
妊娠中にできる首イボ治療と避けたい治療法について

妊娠中に首イボ治療を検討する際、選びやすい方法と、慎重に考えたい方法について整理します。
コールドメス法による治療の特徴
一つの選択肢が、「コールドメス法」と呼ばれる医療器具を用いた切除法です。電気メスのように電流を流したり、レーザーの光を全身に照射したりすることはありません。
治療の影響は基本的に首の治療部位に限られ、そこ以外の体には電気的・光学的な刺激が及ばないため、妊娠中の方にも比較的選択しやすい方法とされています。
もちろん、個々の状態によって適応は変わりますので、「妊娠していること」を必ず事前に医療機関へ伝えたうえで、どの方法が最も安全かを医師と相談する必要があります。
妊娠中は注意が必要なレーザー治療
一方で、レーザー治療については、妊娠中の使用を推奨していない機器も存在します。
妊婦さんへの安全性に関する十分なデータがないものも多く、「絶対にダメ」と言い切れないにしても、「わざわざ妊娠中に選ぶ必然性は低い」と判断されることも少なくありません。
そのため、妊娠中にレーザー治療を検討する場合は、次のような点を確認しておくことが大切です。
- 妊婦への使用が禁忌になっていないか
- 安全性に関する見解がどうなっているか
- そもそも今のタイミングでレーザーが必要か
といった点を、担当医とよく確認したうえで判断することが大切です。「何となくネットで見たから」という理由だけで自己判断をするのは避けましょう。
麻酔の扱いと判断のしかた
首イボ治療では、通常は麻酔クリームを使用して痛みを軽減することが多いです。
しかし、妊娠中は麻酔薬が体内に吸収されることによる影響を完全には否定できません。
現時点で「絶対に有害」と証明されているわけではないものの、「妊娠中にどの程度まで使うか」について明確な安全性データが揃っていないため、慎重な判断が求められます。
そのため、妊娠中の首イボ治療では、次のような方針を取ることが多いです。
- 可能な範囲で麻酔を使わずに治療を行う
- どうしても必要な場合は、リスクとメリットを説明したうえで、ご本人と相談して使うかどうか決める
痛みに対する不安がある場合は、受診時に遠慮なく伝えてください。
妊娠中の痛みのケアと、治療の進め方
妊娠中に首イボ治療を選んだ場合の、痛みに対する配慮と治療の進め方についてご説明します。
麻酔クリームを使わないでの治療
妊娠していない時期の首イボ治療では、表面麻酔クリームを使ってから処置を行うことがほとんどです。
しかし、妊娠中はこうした外用麻酔薬の安全性データが十分ではなく、「絶対に安全」と断言しにくいのが現状です。
そのため、妊娠中の患者さんには、あえて麻酔クリームを使用せずに治療を進めるケースも多いです。
冷却や声かけで痛みを軽減する工夫
麻酔を控える代わりに、痛みを軽減する工夫を丁寧に行います。
たとえば、処置の前に保冷剤や冷却ジェルなどで十分に冷やし、痛みの感覚を鈍らせてから一つずつイボを取っていく方法です。
また、「今からここを取りますね」「少しチクッとしますよ」といった声かけをしながら、患者さんの表情や反応を確認しつつ、ペースを調整して治療を進めていきます。
どうしても痛みに弱い方や、妊娠週数・全身状態によっては、治療のボリュームを減らしたり、タイミングを改めて相談したりする場合もあります。
治療のペースについて
妊娠何か月か、持病の有無、仕事や育児の状況、痛みに対する不安などは人によって大きく異なります。
そのため、「妊娠中は何個まで」「何週目からOK」といった画一的なルールを当てはめるのではなく、患者さまごとの事情を踏まえて相談しながら決めていくのが現実的です。
「妊娠中に一部だけ処置して、残りは産後に」「出産後、授乳が落ち着いてからまとめて」など、いくつかのパターンが考えられます。
診察の際には、いつ頃までにどの程度スッキリしていたいのか、率直な希望を伝えてください。
首イボは出産後に自然に消える?放置しても大丈夫?

「出産したら自然に減るのかな」「このまま放っておいてもいいのかな」という疑問についてお答えします。
妊娠中の「増え方」と、出産後の変化
妊娠中に首イボが一気に増えること自体は、決してめずらしいことではありません。ホルモンバランスや体型の変化、摩擦の増加など、複数の要因が重なることで、短期間にポツポツが目立ってくることがあります。
出産後は、こうしたホルモン環境が少しずつ落ち着き、体重や皮膚状態も変化していきます。
そのため、「妊娠中のような勢いでどんどん増え続ける」というケースは少なく、「増えるスピードが落ち着く」「新しくできるペースがゆるやかになる」と感じる方が多数です。
できてしまった首イボは自然には消えにくい
一方で、「すでにできてしまった首イボ」が自然に消えてなくなるかというと、現場の印象としては「ほとんど残り続ける」と考えていただいた方が現実的です。
出産後に増加は止まっても、そのまま年月が経つうちに、少しずつ大きくなったり、数が増えたように感じたりすることもあります。
「出産後に落ち着く=全部なくなる」というわけではないため、気になるものがあれば、どこかのタイミングで治療を検討する必要があります。
出産から数年経ってから受診されるパターン
実際の診療では、「妊娠中に増えた首イボをそのままにしていて、子育てが少し落ち着いたタイミングで受診される」という方も多くいらっしゃいます。
出産から5年、10年経ってから、「やっと自分のケアに時間が使えるようになったので」と来院されるケースも珍しくありません。
そのため、「妊娠中に増えたものは、そのときにすべて対処しないといけない」というわけではなく、「気になり始めたタイミングが、受診の良いきっかけ」と考えていただいて大丈夫です。
妊娠中から産後の首イボとの上手な向き合い方
妊娠中から産後にかけて、首イボとうまく付き合っていくためのポイントをまとめます。
妊娠中に意識しておきたいこと
妊娠中は、完全に首イボをゼロにすることよりも、「これ以上刺激を増やさない」ことを意識するのがおすすめです。
首元をゴシゴシこすらない、ネックレスやタイトな襟の服で繰り返し同じ場所を擦らない、といった小さな工夫だけでも、悪化を防ぐ助けになります。
かゆみがあっても引っかかないようにし、気になる場合は早めに皮膚科に相談すると安心です。
産後、どのタイミングから治療を検討するとよいか
産後の治療開始のタイミングは、授乳状況や生活リズム、サポート体制などによって変わります。身体の回復や育児がひと段落し、「自分の通院の時間がとれそう」と感じたタイミングが、一つの目安になります。
授乳中に行える治療の内容は、使用する薬剤や麻酔の種類によって異なりますので、「授乳中であること」も含めて事前に医師へ伝えたうえで、適切な時期と方法を一緒に考えていきます。
受診時に医師へ伝えてほしい情報
首イボの相談で受診する際は、以下のような情報を伝えていただくと診断の助けになります。
- 妊娠中か、産後か、授乳中か
- 首イボが増え始めた時期
- 数週間で一気に増えたのか、ゆっくり増えたのか
- 痛み・かゆみ・出血があるか
- 家族の中に、似たようなイボがある人がいるか
「ウイルス性かどうか」「良性のアクロコルドンかどうか」を見極める材料になりますので、覚えている範囲で構いませんのでお話しください。
妊娠中の首イボに関するよくある質問
Q. 妊娠中でも、首イボを全部取ってしまって大丈夫ですか?
医学的な観点からは、妊娠中に「すべてを一度に取る」ことはあまりおすすめしていません。妊娠中は色素沈着が起こりやすく、赤みや跡が長引く可能性があるためです。
どうしても気になるものがある場合は、特に引っかかるものや大きいものなど、生活に支障があるイボだけを優先的に処置し、残りは産後に計画的に取っていく方法が現実的です。
Q. 赤ちゃんにうつる首イボと、うつらない首イボの違いはありますか?
ヒトパピローマウイルス(HPV)などによるウイルス性イボは、タオルや直接の接触を通じて家族や赤ちゃんにうつる可能性があります。一方、アクロコルドンや軟性線維腫といった良性の首イボは、感染症ではないため、人にうつる心配は基本的にありません。
「急に広がった」「透明〜薄い肌色で水ぶくれのよう」「一箇所から帯状に広がる」といった場合は、ウイルス性の可能性があるため、早めに皮膚科で相談してください。
Q. 授乳中でも首イボ治療は受けられますか?
授乳中でも受けられる治療はありますが、使用する麻酔や薬剤、治療方法によって適否が異なります。授乳をしていることを事前に伝えたうえで、赤ちゃんへの影響も含めて医師と相談しながら方法を選ぶことが大切です。
Q. 治療後は、いつからお風呂やシャンプー、運動ができますか?
具体的な注意点や期間は、治療方法や処置した数・部位によって変わります。一般的には、当日の長時間入浴・サウナや激しい運動は控え、汗をかきすぎないように指示されることが多いでしょう。
首の洗浄やシャンプーについては、「こすらない」「シャワーで軽く流す」といった形で、医師・看護師から個別に説明がありますので、その指示に従ってください。
Q. 保険適用になる首イボと、ならない首イボの違いはありますか?
首イボの多くを占めるアクロコルドンや軟性線維腫は、美容的な側面が強いため、原則として自由診療(自費)になることが一般的です。一方、ウイルス性イボなど、感染症として治療が必要と判断されるものは、保険診療の対象となることがあります。
どちらに該当するかは、診察と診断名によって決まりますので、受診の際に医師へ確認してください。
妊娠中の首イボでお悩みの方は、お気軽の当院にご相談ください。 治療のご相談のみをご希望の場合は、無料美容相談も承っております。
YouTube動画でも、「妊娠中に急増する首イボ」について、Dr.mikoが詳しく解説しています。
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