肝斑は自分で治せる?市販薬の使い方と正しい治療の順番を解説【医師監修】

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頬のあたりに、左右対称にもやっと広がる色ムラ。市販のシミに効く内服薬で美白ケアをがんばっているのに、薄くならないどころか最近なんだか濃くなってきた気がする。

そんなときに疑いたいのが、「肝斑(かんぱん)」という症状です。

肝斑は、刺激に敏感な肌の症状です。一般的なシミと見た目が似ていますが、できる原因や肌の反応の仕方が、まったく違います。合わない治療をすると、かえって濃くなることも。

この記事では、肝斑シミの違い、自分でできること、市販薬や飲み薬の考え方、皮膚科での治療、保険適用の目安まで、迷いやすいポイントを一つずつ解説していきます。

読み終える頃にはきっと、今のケアをこのまま続けていいのか、それともいちど見直したほうがいいのかが分かるはずです。

肝斑を自分で治そうとする前に、知っておいてほしいこと

肝斑を自分で何とかしたい、市販薬でまずは様子を見たい。そう考えてこの記事を読んでいる方も多いと思います。

ただ、ここでまず知っておいてほしいのが、肝斑は「どんな薬を使うか」よりも、「どんな順番で治療を進めるか」で結果が大きく変わりやすい症状だということです。

肝斑の治療で逆効果になりやすいのは、原因がはっきりしないまま、早く何とかしようとして刺激を重ねてしまうケースです。

肝斑記事_自分で治そうとする前に、知っておいてほしいこと

色ムラを何とかしたいと焦るあまりピーリング剤や強い美白ケアを続けたり、それを隠そうとしてマスクで頬がこすれる機会を増やしてしまったり。

こうした刺激が少しずつ積み重なることで、肝斑は薄くなるどころか、かえって濃くなってしまうことがあります。

肝斑を治療するにあたっての「治療を進める順番」は、次の4段階です。

  • まずは、今の色ムラが「本当に肝斑なのか」を確かめる。
  • そのうえで、刺激を減らし、肌の炎症を鎮める土台を作る。
  • 次に、内服や外用薬などの治療を、肌状態に合わせて組み合わせる。
  • 刺激の強いアプローチは、肝斑の扱いを熟知した医師の判断のもと進める。

この順番を意識せずに進めてしまうと、良かれと思って続けている肝斑ケアが、結果的に逆効果になることもあります。

ワンポイントアドバイス

肝斑と「いわゆるシミ」である老人性色素斑が合併しているケースでは、特に注意が必要です。肝斑の部分には強いレーザー治療は厳禁。
取りたかったはずのシミが治療前よりも濃くなることもあります。
「気軽な気持ちで光治療やフォトフェイシャルを受けてみたけれど、逆にシミが濃くなってしまった」とご相談に来られた患者さまもいらっしゃいます。
両頬に広がる肝斑がある方は、くれぐれもご注意ください。

ドバイザーの写真

ここからは、その最初の一歩として、「気になっている色ムラが本当に肝斑なのか」を見極めるために、肝斑の症例写真をもとに見分け方のポイントを順に解説していきます。

肝斑かシミかを見分ける方法

「肝斑」と「一般的なシミ」は見た目がよく似ているため、同じようにケアしてしまいがちです。ただ、一般的なシミでは効果的な治療でも、肝斑では逆効果になることもあります。だからこそ、まずは肝斑を正しく見分けることが大切です。

ここでは、実際の肝斑の症例写真を見ていきながら、特徴を確認していきましょう。

典型的な肝斑の症例写真とその特徴

肝斑は、頬骨のあたりを中心に、左右対称にもやっと広がるように出やすいのが特徴のひとつです。

輪郭がくっきりというより、境界がにじむように見えることが多く、肌全体のくすみと一体化して見えることもあります。

<症例1:肝斑>

肝斑記事_両頬に広がる肝斑

<症例2:肝斑>

肝斑症例

珍しいタイプの肝斑の症例写真とその特徴

<症例3:肝斑>

両頬にベタっと面で淡い茶褐色斑が見られます。典型的な部位とはやや異なる部位に肝斑があります。

珍しい肝斑の症例1

<症例4:肝斑>

目の横にCの字ように存在する肝斑の症例です。C型や涙型と呼ばれる珍しいタイプの症例です。

珍しい肝斑の症例2(C型、涙型)

<症例5:肝斑>

目の下に細長く存在する珍しいタイプの肝斑の症例です。

肝斑記事_肝斑症例_回転

一方で、一般的なシミ(老人性色素斑)は、輪郭が比較的はっきりしていたり、点在するように増えたりします。

8_個別症例_老人性色素斑 1

このように、見た目だけで肝斑かどうかを判断するのは難しい場合も多く、治療を進める前に、皮膚科で正確に診断してもらうことが大切です。

肝斑診断のフローチャートでセルフチェック

そこで次に、あくまで目安にはなりますが、肝斑を疑うサインを整理した簡単なセルフチェックをフローチャートにまとめました。

「もしかして肝斑かも?」と感じている方は、ぜひ活用してみてください。

肝斑を見分けるセルフ診断フローチャート

このフローチャートで「やっぱり、肝斑かもしれない!」と思った方は、美容皮膚科での受診をおすすめします。

肝斑は、ホルモンバランスや摩擦、紫外線など、いくつもの要因が重なって起こるため、自己流のケアではかえって悪化してしまうことも少なくありません。

FLALU(フラル)クリニックでは、スタッフによるカウンセリングは無料で行っています。肌の状態を一緒に整理しながら、今のあなたにとって無理のない治療の進め方をご提案しますので、肌のトラブルでお悩みの方はぜひご相談ください。

40代以降のシミ・肝斑治療は20代のシミ治療とは別もの

刺激の影響を受けやすく、治療の組み立てが難しい肝斑。さらに40代以降になると、肝斑が単独で出ているのではなく、肝斑の上に点状のシミが混ざったり、くすみが重なって色ムラが強く見えたりすることも。

これは、20代の頃は単独の原因で出ている事が多かったシミが、年齢とともに紫外線の蓄積や代謝の変化などが重なり、いくつもの要因が絡む「複合的なシミ」として現れやすくなるためです。

40代からのシミ治療_シミの原因_260116

年齢を重ねたデリケートな肌では、早く・安価に肝斑やシミを消そうとすることだけを考えるのではなく、まず今の肌状態をきちんと見極めたうえで、最適な順番でケアを組み立てていくことが大切です。

原因を整理しないまま治療をすすめると、狙った部分外にも反応が出たり、刺激が強すぎて赤みや色戻りが起こったり、赤みが残ってしまったりなどの副作用が出てしまう可能性もあります。

40代からのシミ治療_シミの原因の整理_260116

そのためフラルクリニックでは、「40代以降のシミ・肝斑治療を、20代のシミ治療とは別なもの」として考えています。

フラルクリニックの40代からのシミ治療についての考え方や取り組みについて詳しくは、こちらのページをご覧ください。

肝斑ができる理由と悪化を招きやすい要因

肝斑は、ひとつの原因だけで起こるものではなく、いくつかの要素が重なり合って現れると考えられています。
発生するしくみには、まだ分かっていない部分もありますが、どんな人に出やすいのか、何がきっかけで濃くなりやすいのかについては、ある程度共通した傾向があります。

肝斑は、

  • 遺伝などの体質的な要素
  • ホルモンバランスの変化
  • 紫外線や摩擦などの刺激

こうした条件が重なることで、メラニンを作る細胞が過剰に働き、色ムラとして定着しやすくなります。
これらの肝斑が出やすくなる主な要因を、ポイントを押さえながら順に見ていきましょう。

肝斑ができる理由①:遺伝などの体質的な要素

同じような生活をしていても、肝斑が出やすい人と出にくい人がいることから、遺伝を含む体質的な傾向が関係していると考えられています。
体質だけですべてが決まるわけではありませんが、刺激や環境の変化に反応しやすい土台があると、肝斑として表に出やすくなるといえるでしょう。

肝斑ができる理由②:ホルモンバランスの変化

肝斑は、妊娠や出産、更年期など、ホルモン環境が変化するタイミングで出たり、濃くなったりすることがあります。
更年期症状のための治療薬やピルが関係するケースもあるため、思い当たる背景がある場合は、治療方針を考えるうえで医師に共有しておくと安心です。

肝斑ができる理由③:紫外線や摩擦などの刺激

紫外線や摩擦といった日常的な刺激も、肝斑を悪化させる要因です。

紫外線はメラニンの生成を促すため、日焼け対策が十分でない状態が続くと、肝斑が落ち着きにくくなる傾向があります。
真夏の強い日差しだけでなく、普段の生活で浴びる光の積み重ねも影響するため、毎日の紫外線対策が肝斑治療の土台になります。

肝斑記事_肝斑ができる理由と悪化を招きやすい要因

肝斑の悪化を招きやすい要因と改善の正しいアプローチ

さらに、肝斑を悪化させてしまう要因を考えるうえで覚えておきたいのが、「肝斑はもともと刺激に弱い性質を持っている」という点です。
治療を始めた直後に、一時的に色が濃くなったように感じることがあるのも、刺激や炎症に敏感に反応しやすいことが関係しています。

そのため、強い治療や刺激の強いケアを自己判断で重ねてしまうと、良くするつもりが逆に悪化の要因となってしまうことがあります。

肝斑治療の基本は、紫外線対策や摩擦を避けることをていねいに続けて治療の土台を作ったうえで、レーザートーニングなどの施術を必要に応じて組み合わせていく考え方です。

肝斑の治療は、早く結果を出そうとするほど遠回りになりがちです。
「短期間で一気に改善させるものではなく、時間をかけて徐々に良くしていくもの」だと考えておくと、治療方針に迷いにくくなるでしょう。

肝斑を自分で治す前に、肌への刺激を減らす習慣づくりを

肝斑についてご自身で調べたうえで「まずは美容皮膚科に行く前に、市販薬やセルフケアで何とかできないかな?」と考える方も少なくありません。

肝斑記事_肌への刺激を減らす習慣づくりを_1

肝斑を自分で何とかしようと考えるとき、まず目を向けていただきたいのが「生活の中で受けている刺激への対策」です。

最初に意識したいのが、紫外線です。肝斑は紫外線の影響を受けやすいため、日焼け止めは毎日使うことが基本になります。塗る量が少ないと十分な対策になりにくいので、顔全体にムラなく、こすらず、置くように塗ることを心がけましょう。

目安となる使用量は、顔全体でおよそ0.6〜0.8gです。30g入りの日焼け止めチューブであれば、毎日使って1か月ほどで使い切るくらいが適量になります。また、首の後ろ側や側面が塗り忘れがちなので、普段から首全体にしっかりと塗り拡げるようにしてください。

次に大切なのが、肌への摩擦を減らすことです。クレンジングや洗顔の際に頬を強くこすってしまうと、それだけで肝斑への刺激が重なってしまいます。泡をクッションにして洗い、タオルは肌をやさしく押さえるようにして水分を取っていくのがポイントです。

また、睡眠不足やストレスが続くことで、肌の炎症が長引く方もいます。妊娠や出産、ピルの使用など、ホルモン環境の変化が関わるケースもあるため、思い当たる方は意識しておくとよいでしょう。

肝斑記事_肌への刺激を減らす習慣づくりを_2

こうした美肌のための基礎習慣が整っていない状態では、自己判断で市販薬やサプリを取り入れても、思うような変化が出ず、肝斑治療としてはかえって遠回りになってしまうことがあります。

また、これらのセルフケアを徹底したとしても、肝斑をこれ以上濃くしないことや、肌全体のコンディションを整えることが限界です。

肝斑を短期間で、はっきり薄くしたいと考えている場合には、美容皮膚科での治療を組み合わせることを視野に入れるとよいでしょう。

もし、できるだけ早く肝斑を薄くしたい、あるいは自己流のケアで遠回りしたくないと感じたら、今の肌状態に合った治療を医師に相談してみることをおすすめします。

市販薬でできること・肝斑の薬の選び方

肝斑を薄くするには美容皮膚科の受診が近道ですが、「まずは市販薬で様子を見たい」「自分でできる範囲でケアを続けたい」と考える方も多いのではないでしょうか。

肝斑記事_市販薬でできること・肝斑の薬の選び方

ここからは、肝斑の市販薬の選び方を順に見ていきましょう。

肝斑の市販薬はまず目的と成分を確認

肝斑の市販薬でまず最初に確認したいのは、その薬が本当に肝斑を対象にしているかどうかです。

ラベルや添付文書の「効能・効果」の項目に「肝斑」と書かれていないものは、そもそも目的が違う製品である可能性が高いです。

肝斑記事_肝斑の市販薬はまず目的と成分を確認

肝斑対策が目的であれば、パッケージや添付文書の成分欄を見て肝斑用であることと、有効成分にトラネキサム酸が入っているかをチェックします。

また、それらの製品にはビタミンCやL-システインなどが一緒に入っていることもあります。肝斑向けの市販薬では、トラネキサム酸が治療の軸になり、ビタミンCやL-システインは、肌の代謝や抗酸化などを補助するサポート的な位置づけとして配合されています。

ビタミンCやL-システインも肌の健康を保つための効果は期待できますが、肝斑対策としては、まず「トラネキサム酸が入っているか」を優先して確認するようにしてください。

肝斑の市販薬は2カ月の使用期間を目安に

成分を確認できたら、次に意識したいのが「どれくらいの期間を目安に使うのか」という点です。

肝斑記事_肝斑の市販薬は2カ月の使用期間を目安に

目安としては、数週間〜2カ月程度で、濃さが落ち着いてきたか広がり方が止まってきたか肌の赤みや刺激が増えていないかをチェックします。

また、肝斑はホルモンの影響も受けやすく、何もしなくても時間の経過とともに目立ちにくくなることがあります。特に閉経前後で薄くなっていくケースも見られるため、肌の状態とあわせて経過を見ていくことが大切です。

変化を判断しやすくするために、照明と距離をそろえて同じ条件で写真を撮り、見比べられるようにしておくと、日々の気分や照明の揺らぎに対して判断が左右されにくくなりますよ。

肝斑の市販薬は「安全面」を何よりも大切に

ただ、市販薬の使用でいちばん大事なのが「安全面」です。

市販薬は手軽に始められる一方で、体質や持病、服用中の薬によっては注意が必要な場合があります。例えば、同じ成分でも人によって合う合わないがあり、体調や既往歴によっては、避けた方がよいケースもあります。

肝斑向けの内服薬には、第1類医薬品が含まれることがあります。第1類医薬品は、副作用や注意事項の確認が特に重要な薬に分類されていて、購入時に薬剤師の確認が必要になることが多いのは、そのためです。

今の体調や持病、服用中の薬との飲み合わせによって問題が起きないか、年齢などの条件に当てはまらないかを確認したうえで、適切に使うことが前提になります。

もし、妊娠中や授乳中、持病がある、普段から薬を飲んでいる、過去に薬で体調を崩したことがあるなど、少しでも不安がある場合は、自己判断で進めるよりも医師に相談してから始める方が安全です。

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肝斑の自己治療について、少しでも不安を感じる場合は、医師と一緒に今の状態に合う進め方を決めていきましょう。

肝斑にトランシーノは効果的?使い方と続け方

肝斑の市販薬としてよく名前が挙がるのが「トランシーノ」です。第一三共ヘルスケアの登録商標として展開されているシリーズで、肝斑に使われる成分として知られるトラネキサム酸を配合した製品があります。

ただ、「トランシーノ」=肝斑の内服薬という意味ではありません。トランシーノは、洗顔料や化粧水などの薬用スキンケアまで含むブランド名でもあります。

どれも同じ「トランシーノ」という名前が付いているため混同しやすいのですが、狙っている目的や有効成分、アプローチは製品ごとに異なります。ここを取り違えると、思っていた効果とズレが出やすくなるため、購入前に用途を確認して選ぶことが大切です。

肝斑を自分で治すときのトランシーノの選び方

肝斑を薄くする目的で選ぶ場合、軸になるのはトラネキサム酸が含まれているタイプです。選択肢になるのは「トランシーノ2」や「トランシーノEX」です。

【トランシーノEX】

肝斑記事_トランシーノEX

【トランシーノⅡ】

トランシーノ2

トランシーノⅡを使用する際は、用法・用量を守ることが前提になります。基本は1回2錠を1日2回(合計4錠)で、トラネキサム酸として1日750mgになる設計です。使用期間は、最大で2カ月程度を目安にするとよいでしょう。

一方で、トランシーノ ホワイトCクリアプレミアムは、トラネキサム酸が入っていないビタミンCを中心とした総合ビタミン剤です。

こちらは、肝斑を直接改善する目的というより、栄養を補助して肌を健やかに保ちたい肌全体のくすみ感を整えたいときに選ぶとよいでしょう。

【トランシーノホワイトC 】

トランシーノCシリーズ

【トランシーノホワイトCプレミアム】

トランシーノCシリーズ

肝斑でトランシーノを使う期間と、たくさん飲めば早く治るか?について

トランシーノは、よく「2カ月」をひとつの区切りにして使用するのがよいと言われます。

この期間で確認したいのは、肝斑が薄くなったかどうかだけではありません。範囲が広がっていないか肌全体の赤みや炎症が落ち着いているかといった変化も含めて、肌を観察するようにしてください。

もし、赤みやかゆみが出る場合や、体質的に不安を感じる場合は、無理に続けず、医療機関や薬剤師に相談する方が安全です。

また、よくある誤解として、「たくさん飲めば早く治るのでは」と考える方もいらっしゃいます。ただ、用量を増やしたからといって効果が単純に高まるわけではなくリスクだけが高まってしまいかねません自己判断での増量は避けましょう。

特に、以下の方は服用前に必ず薬剤師や医師に相談してください。

・経口避妊薬(ピル)やホルモン補充療法など、血栓リスクが高くなる薬を使用している方
・血栓症の既往がある方、血栓リスクが高い方(家族に血栓症の方がいる、長時間動けない状況が多い など)
・腎臓病と診断されたことがある方、腎機能が低下している方
・妊娠中、妊娠の可能性がある方、授乳中の方
・55歳以上の方
・ほかの病気で治療中の方、継続して服用している薬がある方

肝斑でのトランシーノやトラネキサム酸の体験談や写真を参考にする注意点

肝斑におけるトランシーノの効果を写真で確かめたくなる方も多いと思います。実際に、使用前後の写真や体験談を掲載しているブログなどもよく見かけます。

肝斑記事_肝斑でのトランシーノやトラネキサム酸の体験談や写真を参考にする注意点

ただし、肝斑は光の当たり方撮影角度メイクの有無肌の赤みなどによって、見え方が大きく変わります。同じ人でも、照明や撮影機材の条件が少し違うだけで、薄く見えたり濃く見えたりすることがあります。

そのため、ブログやSNSで見かける画像を自分の肌と比較すると、「せっかく治療を続けてきたのに、この写真と比べると自分はあまり変化していない」と、過度に不安になってしまう恐れもあります。

効果を判断するときは、ネットの情報だけに頼らず、一定の期間をかけて、焦らず冷静に観察をすることが大切です。例えば、肝斑そのものの濃さだけでなく、広がり方が止まっているか肌の赤みやヒリつきが減っているか全体のトーンが安定してきているかといった点も、重要な判断材料になります。

肝斑は日によって見え方が変わりやすいため、数日単位の変化に一喜一憂するより、数週間から1〜2カ月ほどのスパンで振り返る方が、実際の変化を捉えやすくなりますよ。

ハイドロキノンは肝斑に使える?使い方の注意点

ハイドロキノンは、メラニンを作る細胞の働きを直接抑える作用をもつ薬で、市販の化粧品やクリームに配合されているものもあります。

肝斑記事_ハイドロキノンは肝斑に使える?使い方の注意点

ただ、ハイドロキノンは皮膚への刺激が出やすい性質があるため、自己流で濃度が強いものを使うと、赤みヒリつきといった炎症が起こり、かえって肝斑が悪化することがあります。

医療機関で処方されるハイドロキノンは、濃度併用塗り方使用期間が一人ひとりの肌状態に合わせて調整されています。肝斑は刺激に敏感なため肌を荒らさないことが重要で、特に漫然とした長期使用は避けるのが基本です。

また近年、ハイドロキノンの長期使用不適切な使用がきっかけとなり、「オクロノーシス」という難治性の色調変化を起こすことがある点も知られています。灰褐色から青黒い斑が出るのが特徴の疾患で、治療が難しく、米国ではハイドロキノンを含む未承認の市販製品について使用を避けるようFDA(米国食品医薬品局)から注意喚起が出ています。

こういった背景から、肝斑治療についてはハイドロキノンを自己判断で始めるのではなく、医師と相談した上で慎重に検討していくことをおすすめします。

肝斑に対してサプリメントはどう位置づける?飲み薬との違いは?

シミや肝斑の対策として、サプリメントを検討する方も多いですが、シミや肝斑用の飲み薬とは位置づけが異なります

飲み薬は、肝斑や色素沈着を薄くすることを目的に、成分や飲み方が決められた治療の選択肢です。いっぽうサプリメントは、治療というより、栄養面の補助として取り入れるものになります。

シミや肝斑対策のサポートとしてよく用いられるサプリメント成分には、以下のようなものがあります。

ビタミンC
体内でのメラニン生成を抑えるはたらきと、抗酸化作用による細胞のダメージ軽減が期待されます。コラーゲン合成にも関与し、肌のターンオーバーを助ける栄養素です。

ビタミンE
抗酸化作用が強く、紫外線による活性酸素の発生を抑えることで、色素沈着の進行を間接的にサポートします。ビタミンCと一緒に摂ることで相乗効果が期待できます。

Lシステイン/グルタチオン前駆体
抗酸化作用の強いアミノ酸で、メラニン生成の過程に関わる酵素の働きを抑える可能性が示唆されています。体内での抗酸化能を高め、色素沈着の抑制を助けることが期待されています。

肝斑記事_肝斑に対してサプリメントはどう位置づける?飲み薬との違いは?

サプリメントは本当に種類が多く、どれを選べばいいのか迷いやすいものです。

ただ、サプリメントはあくまで「肝斑そのものを治す主役ではなく、治療やスキンケアを支えるサポート役」だと思っておくと、期待と効果のズレが起きにくくなりますよ。

皮膚科での肝斑治療について

フラル受付

ここまで、市販薬やサプリメントを中心に、自分でできる範囲の肝斑ケアについて解説してきました。

ただ、肝斑はセルフケアだけでは思ったほど薄くならないケースもあります。

ここから先は、もう一段踏み込んで、皮膚科で受けられる肝斑治療について見ていきます。どんな施術が選択肢になるのか、肝斑ではどんな点に注意して治療を組み立てるのかを順番に解説していきます。

医療施術での肝斑治療 レーザートーニングとピコトーニング

肝斑の施術は、強い刺激を与えて一気に取り除くような治療はおすすめできません。刺激をできるだけ抑えながら、少しずつ肌を整えていくアプローチが基本です。

そこで、フラルクリニックでは肝斑治療において、「レーザートーニング」「ピコトーニング」というふたつの機器を、患者さまの肌状態や治療段階にあわせて使い分けています。

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レーザートーニング

レーザートーニングは、肌への刺激を抑えた弱いレーザーを顔全体に均一に照射し、メラニン色素を穏やかに分解・排出しやすくさせる治療です。

肝斑記事_レーザートーニングの説明画像

レーザートーニングは、表皮から、表皮と真皮の境目〜真皮の上部あたりまでを中心に反応を起こしやすく、肌の表面寄りの色やくすみを、負担を抑えながら少しずつ薄くしていきます。

赤みが強く出にくい傾向があり、治療後もすぐにメイクができるほどダウンタイムが短いのが特長です。効果を実感するまでに平均的に5~10回程度の通院が必要になります。

【症例写真】レーザートーニング20回治療の経過

治療部位:両頬の肝斑
使用機器:レーザートーニング
治療回数:20回
治療期間:約10カ月(月2回ペース)

肝斑治療の症例経過の一覧表
レーザートーニング症例写真
レーザートーニング症例写真

ピコトーニング

ピコトーニングは、レーザートーニングよりもやや深い層、真皮側まで届きやすい機器です。
そのため、表面の色だけでなく、肌の深い層に残っている色の改善を狙いやすくなります。

肝斑記事_ピコトーニングの説明画像

また、真皮側で反応が起こることでコラーゲンのリモデリング(肌の環境を整え直していく変化)が促され、肌のハリ感や毛穴の引き締まりといった効果も期待できます。

2段階のトーニング施術で「肝斑が目立たず、再発しにくい肌」を目指します

先程もお伝えした通り、肝斑治療では、最初から強い反応を狙うより、まずは肌の負担を抑えながら徐々に色素を落としていくほうが、結果的に改善を感じやすいと考えています。

そこで治療の初期段階ではレーザートーニングを5回〜10回を目安に行い、表面の目立つ色やくすみを丁寧に薄くしていきます。その後、ある程度色が落ち着いてきたのを確認してから、ピコトーニングに移行していきます。

肝斑記事_LTPT比較画像

肝斑は繰り返しやすいシミで、その背景には真皮側の炎症や血管の状態など、肌の土台の不安定さが関係しています。ピコトーニングでは、肌の深い部分のメラニンを砕くのに加えて、コラーゲンのリモデリングを促して肌環境を整え、肝斑が目立ちにくく、再発しにくい肌を目指していきます。

どちらのトーニングでも注意したい副作用として、白く色が抜けるような変化が起こる可能性があります。これは肌の色を作る「メラノサイト」という細胞にレーザーが作用したためで、いずれの治療でも肌の反応を丁寧に確認しながら進めていくことが重要です。

フラルクリニックでの肝斑治療について詳しくは、下記のページもぜひ御覧ください。

肝斑治療は保険適用になる?皮膚科での扱いと費用の考え方

肝斑について、できれば保険の範囲内で治療したいと考える方は多いと思います。

ただ結論から言うと、肝斑治療は保険適用にならないことが多く、自由診療として案内されるケースが一般的です。肝斑は命に関わる病気ではなく、美容目的の治療として扱われやすいためです。

とはいえ、一般皮膚科に行く意味がまったくないわけではありません。肝斑に見えて実は別の疾患だったり、炎症やかぶれが重なっていたりすることもあるため、まず「本当に肝斑なのか」を確認するのは大切です。

ただ、肝斑をはっきり薄くするための治療となると、保険診療の枠組みでは選択肢が限られ、経過観察や刺激を避ける指導が中心になります。

そのため、肝斑をできるだけ早く、目に見える形で改善したい場合は、一般皮膚科よりも美容皮膚科のほうが提案できる内容が多いといえます。

もし、できるだけ早く、はっきり薄くしたいと感じる場合は、早い段階から美容皮膚科で治療の順番を相談してみるのがおすすめです。

肝斑は自分で治せるかについてのよくある質問

治療をすれば肝斑は完全に消えますか?

肝斑は、薄くなって気になりにくくなる方は多い一方で、紫外線や摩擦、ホルモンバランスの変化などで見え方が変わりやすい性質があります。
だからこそ、完全に消すことだけをゴールにするよりも、濃くなりにくい状態に整えていく発想のほうが現実的です。
いったん落ち着いても、刺激が増えるとぶり返しやすいので、治療中だけでなく日々のケアもセットで考えておくと安心です。

肝斑の飲み薬はどれくらいの期間続ければいいですか?

肝斑の内服でよく使われる成分のひとつがトラネキサム酸です。
トランシーノなどの飲み薬は、飲めばすぐ肝斑が消えるというタイプの治療ではないので、まずは2カ月を目安に変化を確認しながら進めます。
その他の市販薬を使う場合も、製品ごとに想定されている使用期間があるので、その区切りで手応えや体調面をチェックし、続け方を考えるのがおすすめです。
変化が乏しいのに自己判断で長く続けるより、診断や治療の組み立てを見直したほうが近道になることがあります。
体質や持病、飲み合わせによって注意が必要なケースもあるため、不安がある方は医師や薬剤師に相談しながら進めてください。

肝斑治療でのハイドロキノンは朝に使ってもいいのですか?

 

肝斑治療でハイドロキノンを使う場合、朝に強い紫外線に当たることが多いなら、使わないほうが安全です。
日中はどうしても紫外線を完全には避けきれないため、肌への刺激になってしまう可能性があるためです。
特に肝斑は、ちょっとした刺激でも色が濃くなったり広がったりしやすいので、心配であれば夜だけの使用にするほうが安心です。
もし朝や日中も使う場合は、日焼け止めをしっかり塗ることに加えて、帽子や日傘なども含めて紫外線対策をいつも以上に丁寧に行うようにしてください。

肝斑の市販薬で変化が乏しいとき、次に考える選択肢は?

市販薬で変化が乏しいときは、薬の良し悪しの前に、そもそも肝斑の診断が合っているか、刺激が増えていないかを確認するのが先です。
肝斑は、ほかのシミや炎症後色素沈着が混ざっていることも珍しくなく、見た目だけで判断すると治療がズレている恐れがあります。
医師の診断のうえで、内服や外用で土台を整え、必要に応じて刺激の少ない施術を組み合わせるなど、治療方針を見直すほうがよいでしょう。
自己流で刺激の強い治療に進むほど遠回りになりやすいので、変化が乏しい時点でいちど医師に相談するのがおすすめです。

肝斑で皮膚科に行くなら、何を伝えると診断がスムーズ?

診断をスムーズにするためには、いつ頃から肝斑が気になったかに加えて、濃くなったきっかけになりそうな出来事を伝えるのがポイントです。
たとえば、日焼けの機会が増えた、マスクやクレンジングで頬をこすりやすい、ピーリングやレーザーなど刺激のあるケアをした、妊娠出産やピルなどホルモン環境の変化があった、といった情報です。
また、肝斑は体質や家族歴が関係することもあるため、家族に似たようなシミがあるかどうかも伝えておくと、より状況を把握しやすくなります。
今使っているスキンケアや薬、サプリもあわせて共有すると、治療の組み立てが早くなりますよ。

まとめ:肝斑は「見分け方」と「刺激の管理」が治療の出発点

肝斑は、正しく見分けて刺激を増やさない設計を作ることが何より大切です。自分でできることは、紫外線と摩擦を減らし、肌の炎症を落ち着かせること。その上で、市販薬や飲み薬、外用、皮膚科での治療を必要に応じて組み合わせると、良い変化を感じやすくなります。

肝斑なのかシミなのか自信がない、ケアしているのに濃くなった気がする、刺激で赤みがなかなか引かない。そんなときは、自己判断で強い治療に進む前に、いちど肌状態を医師と確認しておくのがおすすめです。

フラルクリニックでは、今の症状が何に近いのか、刺激が増えていないか、どんな順番なら無理なく進められるかを一緒に確認しながら、治療の組み立てをご提案しています。

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少しでも不安がある方は、まずはスタッフによる無料カウンセリングでお気軽にご相談ください。