色素沈着を治す方法

「ニキビ跡や虫刺されのあとに茶色いシミのような跡が残って消えない……」 それは炎症後色素沈着(PIH)と呼ばれる症状かもしれません。
自然に薄くなることもありますが、紫外線や摩擦で悪化し長引くケースも少なくありません。 この記事では、色素沈着、特に炎症後色素沈着の原因から治療法、セルフケアや予防方法まで、詳しく解説します。
もくじ
Toggle色素沈着・炎症後色素沈着(PIH)とは

色素沈着とは、炎症や外的刺激のあとにメラニン色素が肌内部に過剰に残ってしまう状態です。
色素沈着の種類
色素沈着にはいくつかの種類があり、それぞれ原因や特徴が異なります。本記事で詳しく取り上げる「炎症後色素沈着」含めて、代表的なものには以下があります。
■老人性色素斑
老人性色素斑は、加齢や紫外線の影響でできる一般的なシミです。
 輪郭がはっきりしていることが多く、顔や手の甲など日焼けしやすい部位に多く見られます。
■炎症後色素沈着
炎症後色素沈着はやけどやニキビ、虫刺されなどの炎症後に残るシミです。
 赤みが引いた後、茶色く色素が沈着し、肌に残ることがあります。
■肝斑
肝斑は、遺伝やホルモンバランス、紫外線、摩擦の影響でできるシミの一種です。
 左右対称に頬や額に現れ、30〜50代の女性に多く見られます。
■そばかす
そばかすは遺伝的な要因で思春期ごろから出現しやすい、小さく点在する斑点状のシミです。
 紫外線で濃くなりやすく、鼻から頬にかけて多く見られます。
炎症後色素沈着の特徴
色素沈着の中でも、単なる色素の蓄積ではなく、炎症の種類・強度・期間で色素沈着の程度が変動し、多様な病態を示すのが炎症後色素沈着です。
炎症後色素沈着には、主に以下のような特徴があります。
・茶色〜灰色のシミのような跡
 ・炎症や外傷のあとに出現
 ・時間が経つと薄くなることもある
年齢が若い方は肌のターンオーバーが早いため比較的改善が期待できますが、年齢とともに肌の代謝機能が低下するため、治療効果が現れにくくなる傾向があります。
色素沈着ができる原因

色素沈着は、外部からの刺激でメラノサイトが活性化し、メラニンが過剰に生成されることで起こります。
刺激の種類によって起こり方が異なるため、それぞれの原因を理解しておくことが大切です。
摩擦による刺激
タオルやクレンジングでゴシゴシこする習慣
洗顔やメイク落としの際に強い力をかけると、肌の角層が傷つき、炎症反応が起こります。その結果、メラニンが作られ色素沈着を起こすリスクが高まります。
マスクや衣類のこすれ
長時間のマスク生活で、頬や鼻まわりに摩擦が続くと色素沈着の原因になります。特に頬骨の高い位置はリスクが高めです。
過度なスキンケア
良かれと思って化粧水やクリームを塗り込むようにしている場合は、強い摩擦が起こり逆効果になることもあります。
外傷や肌トラブル
ニキビ・虫刺され・湿疹
一度炎症が起こると、その跡にメラニンが沈着し「シミのような跡」として残ります。かきむしるとさらに悪化するケースが多いです。
傷ややけど
かさぶたを無理に剥がすと炎症を繰り返す原因となり、色素沈着が強く出るケースが多いです。
ムダ毛のカミソリ処理
刃を直接肌に当てるため、微細な傷が繰り返し生じ、色素沈着が慢性化しやすいです。 特に脇・ビキニラインなどに注意が必要です。
強い成分による刺激
洗浄力の強い洗顔料やピーリング剤
必要な皮脂まで取り除くとバリア機能が低下し、炎症からメラニン生成につながります。
アルコール濃度の高い化粧水・ふき取り化粧水
乾燥や刺激を繰り返すことで、慢性的な色素沈着を招く場合があります。
肌に合わない化粧品
使用していて、赤みやかゆみが出る状態を放置すると、炎症後色素沈着に発展しやすくなります。
炎症後色素沈着の治療方法
炎症後色素沈着の治療方法を解説します。
FLALUクリニックのフラルスキン治療
フラルスキン治療は、トレチノインとFLALUコスメシリーズを使用した、簡単に自宅でできるシミ治療、美白・美肌治療です。
フラルスキン治療を行うことによって、今までのスキンケア常識が全く変わります。
治療効果として
小ジワを改善する
敏感肌が改善する
ニキビが改善する
肌の透明感が出る
肌のハリを出す
肌が健康に強くなって余計な化粧品が不要になる
メリットがたくさんある治療法です。
内服薬
トラネキサム酸
トラネキサム酸は抗炎症作用と止血作用を持つアミノ酸で、色素沈着の改善に用いられます。
血中に存在するプラスミンの作用を抑制することで、色素沈着のもととなるメラニンの生成を抑制します。
ちなみにプラスミンは、血液中で血栓を溶かす働きをする酵素であり、メラノサイトに作用しメラノサイトを活性化させると言われています。
内服薬を継続して摂取することで、3ヶ月ほどかけて徐々に色素沈着を目立たなくする効果が期待できます。
ビタミンC誘導体
ビタミンCは水や空気に触れると壊れやすい性質を持っていますが、それを安定化させて酸化しにくくしたのがビタミンC誘導体です。
化粧品や美容治療の浸透成分に多く用いられます。
ビタミンCの抗酸化作用は免疫機能を強化し活性酸素から細胞を守る作用があり、色素沈着の治療にも有効です。
ビタミンC誘導体は色素沈着に対して下記の作用を発揮します。
・紫外線などの外部刺激から肌を守る
 ・メラニンの生成を抑制
 ・メラニンの定着を抑制
ビタミンC誘導体が含まれている市販のスキンケアアイテムはたくさんあり、日常的に取り入れやすい成分です。
FLALUクリニックのレアセラム美容液
ケミカルピーリング
ケミカルピーリングは、皮膚に化学薬品を塗布して古い角質を取り除き、ターンオーバーを促進する治療法です。
繰り返し行うことで効果が徐々に現れ、古い皮膚とともにメラニン色素が脱落し色素沈着を薄くする効果が期待できます。
ケミカルピーリングは、レチノイン酸やハイドロキノンなどの薬物療法とも併用が可能です。
ピーリングによって汚れや角質が除去された肌は、薬剤がより浸透しやすくなります。
フォトフェイシャル
フォトフェイシャルは、IPLと呼ばれる特殊な光を肌に照射することでメラニン色素や毛細血管にダメージを与える治療法です。
光がメラニンに吸収されて熱を発し、その結果メラニンが分解されます。
今ある色素沈着を改善する効果に加えてメラニン色素の生成を抑える効果も期待できます。
コラーゲンの生成を促進するため、肌全体のトーンアップも叶い透明感のある肌が実現します。
起こりやすい部位

炎症後色素沈着ができやすい部位は下記の3つです。
・肘や膝
・脇、ビキニライン、デリケートゾーン
顔は外気に直接晒されるため、常に刺激と隣り合わせです。 スキンケアやメイクで触る頻度も高く、知らないうちに1日に何度も顔をこすっています。
2. 肘や膝曲げ伸ばしが頻繁な肘や膝も、色素沈着が起こりやすい部位です。 肘や膝は日常の何気ないしぐさで何度も曲げ伸ばししていますよね。 その時に服にこすれて刺激となっているのです。 特に無意識のうちに頬杖をつく癖がある人は肘に色素沈着が生じやすくなります。
3. 脇・ビキニライン・デリケートゾーン脇・ビキニライン・デリケートゾーンの共通点は、ムダ毛処理の頻度が高いことです。 さらに目視で確認しにくく、毛質も他の部位より濃く太いこと。自己処理の際に余計な力が加わったり、同じ場所に何度もカミソリを往復させることで色素沈着の原因となります。
また、衣類や下着の締め付けによる刺激もその部位が血行不良になりターンオーバーが滞るため、色素沈着を引き起こします。
炎症後色素沈着のリスクが高い部位を挙げましたが、結局のところ炎症後色素沈着は全身すべてに生じる可能性があります。
・合わない化粧品の使用を避ける
・触りすぎない
この3点を日常的に心がけることが、炎症後色素沈着の予防に役立ちます。
色素沈着を予防するには
日常生活で色素沈着を予防する方法を4つ解説します。
紫外線対策と保湿
色素沈着の予防にはまず乾燥や紫外線を防ぐことが大切です。 乾燥や紫外線は肌への刺激となり、メラニンを活性化させます。
また、乾燥や紫外線により肌のバリア機能が低下し、ターンオーバーが乱れることも色素沈着の原因になります。
日焼け止めは1年中使用し、曇りの日や屋内にいる日も紫外線を予防してください。脂性肌や混合肌の方も、肌の水分が不足していることがあります。
そのため油分を含んだクリームで肌に蓋をして水分の蒸発を防ぐことが大切です。
保湿重視のスキンケアでおすすめの成分は、セラミドやプラセンタエキスです。
ターンオーバーを整える
肌のターンオーバーが乱れるとメラニンの排出が滞り、色素沈着の原因となります。
質の良い睡眠やストレスを軽減することは、肌のターンオーバーを整えます。寝る前のスマホやテレビを控え、睡眠の質を高めるようにしてください。
ストレスコントロールも重要です。過剰なストレスは身体の緊張を招き血流が滞りホルモンバランスも乱れて、ターンオーバーが遅くなります。運動や読書など自分なりのリフレッシュ方法を見つけることが大切です。
美肌成分を取り入れる食事
美肌作りに有効な栄養素を積極的に取り入れることも大切です。
ビタミンA・ビタミンC・タンパク質は丈夫な肌を作る成分です。
特にビタミンは体内で貯めることができずすぐに流れてしまうので、毎回の食事で取ることが大切です。
美肌を作る食材はたとえば下記のようなものがあります。
| 栄養素 | 効果 | 食材 | 
|---|---|---|
| ビタミンC | 抗酸化作用、メラニン生成の抑制 | オレンジ、レモン、イチゴ、ブロッコリー | 
| ビタミンE | 皮膚保護、抗酸化作用 | アーモンド、ほうれん草、アボカド | 
| ビタミンA(βカロテン) | 抗酸化作用、肌の健康維持 | にんじん、ほうれん草、かぼちゃ、トマト | 
| ポリフェノール | 抗酸化作用、炎症抑制 | 緑茶、紅茶、ブルーベリー、くるみ | 
| オメガ-3脂肪酸 | 炎症抑制、肌の健康サポート | サバ、マグロ、亜麻仁油、チアシード | 
| 亜鉛 | 皮膚再生促進、メラニン生成調整 | かぼちゃの種、牛肉、大豆、ナッツ | 
| セレン | 抗酸化作用、肌の老化防止 | ブラジルナッツ、鶏肉、玄米、卵 | 
| カロテノイド | 皮膚保護、美白効果 | トマト、スイートポテト、カボチャ | 
| タンパク質 | 皮膚の形成 | 鶏肉、魚、豆腐、卵、牛乳、大豆 | 
これらの成分は一般的に食卓に並ぶ食品にも多く含まれているので、無理なく取り入れられます。
肌に優しいスキンケアを心がける
肌に優しいスキンケアの具体的な方法は下記のとおりです。
・洗顔時は泡で包むように洗う
・すすぎの時も優しく水をかける。シャワーを直に当てるのはNG
・タオルで拭くときは肌を抑えるように水分をふき取る
・スクラブやピーリングを過度に行わない
日常的に気を付けることで、色素沈着の予防に繋がります。 3つの習慣でシミを防ぐ美白の新常識をDr.mikoが解説しています。