粉瘤(アテローム)とは

粉瘤

粉瘤は、初期の段階では大きさもかなり小さいため、粉瘤ができたことに気が付かない患者様が多いです。

また痛みを伴わない腫瘍でもあることから、いつの間にか大きくなってしまい、慌ててクリニックを受診される患者様もいらっしゃいます。

この記事では、粉瘤について詳しく解説しています。

粉瘤と類似した皮膚の症状粉瘤の手術についても詳しく記載していますので、粉瘤のような症状でお悩みの方はぜひ参考にしてください。

粉瘤は、皮膚の下にできる袋状の良性腫瘍です。別名「アテローム」とも呼ばれます。

粉瘤の内容物は主に、皮脂や角質で、毛穴の周りや皮脂腺のある部位に発生し、一般的には顔、首、背中、脇の下などが好発部位とされています。

粉瘤は、初期段階は小さなしこりで痛みもなく放置されがちですが、時間の経過とともに大きくなり、炎症を起こし、赤みや痛みが生じることがあります。

シミ

粉瘤(アテローム)の定義

粉瘤の定義は、皮膚の下に袋状の組織が形成され、その中に垢や皮脂などの老廃物がたまってできる良性の腫瘍のことを指します。

アテローム表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)とも呼ばれ、初期は目立たず触れても小さなしこりを肌表面に感じます。

通常は問題ない状態ですが、大きくなったり炎症を起こすと痛みや腫れが生じ、膿を出す処置が必要となります。

初期段階の痛みがない時期は、見た目が他の皮膚病変やにきびに似ていることから、放置されてしまうことが多いです。

また粉瘤が発症する原因についてははっきりとは解明されていません。

外傷やニキビがきっかけでできるとされていて、個人の体質によってもできやすい、できにくいに分かれます。

粉瘤の構造

粉瘤構造図 (1)

粉瘤(アテローム)の種類

粉瘤の種類は3種類あります。

炎症性粉瘤(えんしょうせいふんりゅう)

炎症性粉瘤は、粉瘤が炎症を起こした状態を指します。

粉瘤が赤く腫れ上がり、痛みや痒みなどの症状が生じます

炎症により粉瘤の袋の中身が弱ってきており、破裂しやすい状態になっているため、慎重な扱いが必要です。

外毛根鞘性嚢腫(トリキレンモーマ)

外毛根鞘性嚢腫(トリキレンモーマ)は、頭部に形成される腫瘍です。

毛根由来の細胞が袋状の空間を形成し、その中に腫瘍ができると考えられています。

この外毛根鞘性嚢腫は遺伝的な傾向が強く、同じ家族で複数人が発症することがあります。

脂腺嚢腫(しせんのうしゅ)

脂腺嚢腫は、皮脂を分泌する脂腺の周辺にできる袋状の良性の腫瘍です。

脂腺嚢腫が発生する脂腺から分泌される皮脂が蓄積し、その周囲に袋状の構造を形成することで脂腺嚢腫が生じます。

粉瘤の症例

【症例①右太もも】 粉瘤の特徴の一つである青黒い色は見られませんが、ぽこっと表面が盛り上がっているのがわかります。
粉瘤 右太もも
【症例③腰】 粉瘤の特徴である青黒い色と、開口部と言われる毛穴の開きがはっきりと見られます。
粉瘤切除(腰)

粉瘤と間違えやすい症状

粉瘤と見た目が似ているために粉瘤と間違えやすい皮膚の症状を解説します。

お悩み

皮膚線維腺腫

皮膚線維腺腫は、粉瘤と同様にしこりを形成しますが、粉瘤が皮下にできる腫瘍に対して、皮膚線維腺腫は皮膚の表面に腫瘍ができます

粉瘤のようなくり抜き法による手術は難しく、切開をしてしっかりと除去する必要があります。

なお、皮膚線維腺腫は大きくなりにくいです。

多発性脂腺嚢腫

多発性脂腺嚢腫は思春期以降に発生し、腋窩(わき)、前胸部、上肢などに多発する、皮下腫瘍です。

内部が皮脂で満たされており、個々の大きさは3〜30mmほどです。

個別に摘出することは簡単にできますが、多数の嚢腫がポコポコと発生するケースが多いため、完全な根治が難しい症状です。

化膿性汗腺炎

化膿性汗腺炎は、繰り返し炎症と膿瘍を起こす疾患で、主に臀部(おしり)、腋窩(わき)、鼠径部、乳房下などアポクリン汗腺の多い部位に発症します。

初期の段階では炎症性の粉瘤との見分けが難しく、注意が必要です。

化膿性汗腺炎は特に化膿しやすい性質があり、手術しても再発することが特徴的です。

毛巣洞

毛巣洞は、肛門と尾底骨の間に発生する膿瘍で、炎症性粉瘤と似ており区別が難しいことがあります。

粉瘤と同様に皮下の袋状のシコリができ、その中に毛髪が入り込む症状です。

多くの場合、嚢胞は肛門近くに発症して頭側に病巣が広がっていきます。

肛門の病気である痔瘻とも鑑別がつきにくいため、総合病院での精密検査が必要です。

血管脂肪腫

血管脂肪腫は全身に多発する皮下腫瘍で、ほとんどの場合、皮膚には色調の変化が見られません

血管脂肪腫は薄い被膜に包まれた嚢胞で、内容物はどろっとした液体です。

特徴的な点として、多発性で数が少ない場合はエコーでは粉瘤と区別がつきにくいことが挙げられます。

粉瘤の症状

粉瘤の症状は進行度合いによって異なります。粉瘤の進行度別の症状を詳しく解説します。

時間

定常期

粉瘤が初期の段階で健康被害や炎症、痛みなどの自覚症状がなく、腫瘍のサイズも小さく、安定している状態を「定常期」と呼びます。

この定常期においては、まだ粉瘤が小さく、手術による除去も比較的簡単で、手術跡が残りにくいとされています。

炎症期

軽度の炎症が現れている状態です。

炎症期では、腫瘍に軽度の炎症が起こり、それによって赤みが現れることがあります。

痛みは一般にはほとんどないか、軽度です。

腫脹期

腫脹期は、粉瘤が強い炎症と腫れを示す時期であり、明確な赤みが見られ、触ると痛みを感じることが一般的です。

袋の中には膿がたまっていて、不快な匂いもします。

一部の人は触れなくても痛みを感じることがあります。

強い腫れがあるため、患部に熱を感じることも。

また、粉瘤が破裂寸前の状態なので、この段階になったら早急にクリニックを受診することが必要です。

破裂期

破裂期は、粉瘤の内部の袋が破裂し、膿が外に漏れ出ている状態です。

破裂した後、しこりが治まり、一時的に治癒したように見えるかもしれませんが、再発の可能性があります。

具体的には、内部の袋が破裂することで膿が外部に漏れ出し、角質や皮脂なども含まれた液体が外部に排泄されます。

この時、漏れ出した液体を触ってしまうと、他の部位に感染する恐れがありますので注意してください。

皮膚科を受診するまでガーゼで覆って膿が広がらないようにすることがおすすめです。

粉瘤は徐々に大きくなりますが、どの時期も下記の状態は共通しています。

・ドーム状のふくらみがある
・中央に黒い点が見える

大きくなると膿んで痛む可能性があるので、たとえ軽い症状でも皮膚科の受診がおすすめです。

粉瘤の中身

粉瘤の中身は、本来剥がれ落ちるはずだった垢や皮脂です。

外傷によって皮膚が傷つくことがきっかけで発生し、表皮が皮膚の下にもぐりこんで袋ができて、垢や皮脂が袋にたまり、皮膚内部に閉じこめられます

粉瘤の開口部の毛穴が黒く見えるのは、開いている毛穴自体が黒い点に見えたり、開口部に詰まった皮脂が酸化して黒く見えたりするからです。

粉瘤の袋ができる過程では、主に表皮細胞が使用され、その後、毛穴の開口部付近の皮脂が酸化することで粉瘤の中心に黒い点が形成されます。

この穴からは、患部を押すとドロッとした膿状の物質が出てくることがあります。

炎症の危険性

粉瘤は皮膚にできた袋状のできもので、初期段階では炎症や症状がないことが一般的です。

しかし、放置したり外部刺激を受けたりすることで炎症が起こる危険性があります。

粉瘤は小さな穴が開いており、そこに細菌が侵入することで感染や炎症が引き起こされる可能性があります。

感染が進行すると、「炎症性粉瘤」と呼ばれ、以下の症状が現れることがあります。

・痛み
・腫れ
・赤み
・熱感
・膿の蓄積

これらの症状がある場合、迅速な治療が必要です。

ニキビ跡

炎症性粉瘤は放置すると悪化する可能性があり、さらなる合併症を引き起こすことがあります。治療は通常、排膿手術によって行われます。

手術で粉瘤の袋を取り除くことで、感染や炎症の広がりや粉瘤の再発を抑えます。

粉瘤が炎症を起こす理由には、細菌感染だけでなく、粉瘤内の袋が外部の圧力によってつぶれ、内部の老廃物が広がることで炎症が生じる可能性もあります。

これは細菌感染による炎症とは異なり、抗生物質が効かない可能性があるので見分けることが必要です。

粉瘤は痛みや赤みがなくても放置せず、炎症が進行する前に摘出手術を行うことがおすすめです。

皮膚にできる良性腫瘍である粉瘤は袋絵を摘出する手術でしか根治が難しく、手術による治療が最も確実な方法です。

手術は粉瘤の小さなうちに行うと、痛みや傷口を最小限に抑えられます。

膿を出す処置だけでも一時的な炎症を抑えられますが、再発のリスクは抱えたままです。

粉瘤(アテローム)の原因

粉瘤の発生の具体的な原因はまだ完全には解明されていませんが、3つの仮説は存在します。

粉瘤

外傷や傷

皮膚が外傷を受けると、その部分が治癒する過程で細胞が再生し、新しい組織が形成されます。

この時に、細胞の増殖や再生が異常な方向に進むことがあり、これが粉瘤の原因となります。

小さな傷や切り傷が発生した場合、皮膚がめくれたり、くぼんだりすることがあります。

この際、皮膚や脂腺が正常な方向に排泄されずに粉瘤の原因となるのです。

また外傷や傷が治癒する過程で、脂腺の分泌物や角質が滞留しやすくなります。

これが脂腺の詰まりを引き起こし、粉瘤の形成に繋がります。

ウイルス感染

粉瘤(アテローム)の原因と考えられているもう1つは、ウイルス感染です。

主に外傷性表皮嚢腫において、ヒトパピローマウイルス(HPV)などのウイルスが関与することが指摘されています。

人間の皮膚や粘膜に感染し、さまざまな部位にイボや粉瘤のような病変を引き起こすウイルスはヒトパピローマウイルス(HPV)です。

HPVに感染することで、皮膚の細胞の増殖や分化が異常になり、粉瘤が形成されることがあります。

また、外傷によって皮膚のバリア機能が弱まり、ウイルスが侵入しやすくなることがあります。

遺伝的な要因

粉瘤(アテローム)の発症には遺伝も関係していると考えられています。

特に、同じ家族で複数の人が粉瘤を発症する場合、遺伝的な因子が関与している可能性が高いです。

特定の遺伝子の変異や遺伝的な傾向が、脂腺の機能や皮膚の再生に影響を与え、粉瘤の発症を促進するとされています。

遺伝子の変異によって、脂腺の分泌物が正常に排泄されなくなり、粉瘤が形成されやすくなる可能性があるのです。

粉瘤の治療方法

粉瘤は一般的に自然治癒することは難しく、根治するには外科手術が必要です。

手術によって皮膚の内側にできた袋を取り除くことで再発のリスクも軽減できます。

手術は粉瘤部分を開けて、膿と袋を取り出す方法です。

粉瘤の治療に用いられる手術方法を2つ紹介します。

くりぬき法

くり抜き法は、粉瘤に穴を空けて中身を絞り出してから袋をくり抜く方法です。

手順としては手術前に切除を行う粉瘤をペンでマーキングします。

次にトレパンと呼ばれる特殊なパンチで粉瘤に小さな穴を開けて、穴から粉瘤の内容物を絞り出します。

内容物を揉み出す過程で袋の一部も絞り出されます。絞り出した粉瘤の袋をピンセットで抜き取り、手術部位を縫合したら終了です。

くり抜き法では局所麻酔を用いて痛みをやわらげながらの施術が可能です。

切開法

切除法は、粉瘤と同じか、それよりもやや大きな範囲の皮膚を切り取る方法で、粉瘤が比較的大きい場合や炎症が強い場合に用いられます。

粉瘤の位置に合わせて切開線を決め、それに沿って皮膚を切開します。次に粉瘤を損傷せずに注意深く剥離し、取り除いて切開部分を縫合します。

皮膚を切開し、袋を周りの組織からはずして摘出するため袋全体を完全に取り除くことが可能です。袋を除去することで再発のリスクが低減できます。

切開法でも局所麻酔を用いるので、痛みへの配慮が可能です。

粉瘤の手術の費用相場

粉瘤の手術を受ける場合、価格の相場を解説します。

保険診療での費用

手術費用として、小さい粉瘤であれば5,000円ほどで除去できます。

大きい粉瘤だと、10,000円~20,000円ほどです。

粉瘤の手術は、一般的に皮膚科クリニックや病院で保険診療として行われます。

手術の保険点数に基づいて計算され、露出部分や直径によって価格が異なります。

3割自己負担の場合、手術費用は診療報酬点数を3倍した金額です。

手術代の他に、初診料、再診料、検査費用、薬代などの費用も必要です。

病理検査が行われる場合、その費用も発生し、おおよそ3,000円ほどかかります。

美容クリニックでの保険適用外の場合

美容クリニックでは、仕上がりの美しさを重視する手術が可能ですが自由診療となり100%自己負担です。

自由診療の場合、各クリニックが価格を自由に設定できるため、保険診療よりも高額になる傾向があります。

手術だけでなく、アフターケアやホームケア製品など、手術以外のサービスも料金に加算されます。

美容クリニックでの手術の場合、価格はクリニックごとに異なりますが50,000円以上かかることも多いようです。

粉瘤(アテローム)に関するQ&A

粉瘤(アテローム)に関するよくある質問と回答を5つまとめました。

QA

粉瘤を放置しているとどうなるの?

粉瘤は放置していると肥大化したり膿んだりするリスクがあります。

粉瘤内の垢や脂は自然に排出されにくく、徐々に蓄積されるため、時間の経過とともに粉瘤が大きくなるのです。

皮膚内部に垢や皮脂が溜まったままだと、細菌によって感染症を起こし粉瘤が赤く腫れたり、痛みを伴うことがあります

これを炎症性粉瘤と呼び、治療が必要な状態です。

炎症が進行すると腫脹期に入り、症状がさらに進行します。

この段階では痛みや悪臭が強くなります。

放置したままだと粉瘤はやがて破裂しますが、破裂して中身が出ても根本的な解決にはなりません。

放置せずに専門家の診断と適切な治療を受けることが、痛みや傷跡を最小限に抑えるために必要な対応です。

粉瘤(アテローム)を自分で摘出できる?

粉瘤(アテローム)を自分で潰すことは、控えてください。

粉瘤は皮膚の下に袋状の組織ができ、その中には垢や皮脂が蓄積されています。袋の除去は自分ではできず、皮膚科での処置が必要です。

粉瘤を自分でつぶすと、爪や器具の菌が入り込んで炎症性粉瘤に進行し、悪化することがあります。

粉瘤を潰しても、袋を取り除かない限り再発の可能性が高まります。

自己処理では根本的な解決が難しいため、医療機関での適切な処置が必要です。

ニキビとの違いはどう判断すれば良いですか?

粉瘤(アテローム)とニキビ(尋常性ざ瘡)は、外見や性質が異なるので、見分けることが可能です。

まず、粉瘤には「へそ」と呼ばれる小さな黒い点があるのが特徴で、ニキビにはこのような開口部はありません。

触った感触について、粉瘤は皮下に袋状の組織ができ、触るとしこりとなります。

一方で、ニキビは触ってもそこまで硬いしこりにはなりません。

大きさについて、ニキビは数ミリ程度ですが粉瘤は数センチから数十センチにも達することがあります。

粉瘤は感染を起こすと臭いを発することがありますが、ニキビには臭いが伴いません。

粉瘤の初期症状は自覚できる?

粉瘤(アテローム)の初期症状は、一般的には皮膚の下に小さな膨らみやしこりができることです。

しかし、この初期段階では皮膚表面には目立った変化が現れないため、自覚することが難しいです。

粉瘤は皮膚の下で形成され、表面にはっきりとした変化がないため触れても痛みがなく、多くの人が初期段階では気付きません。

粉瘤は良性の腫瘍であることが多いですが、悪性化する可能性もあるため、気になる症状がある場合は放置せずに医療機関を受診することが重要です。

粉瘤(アテローム)と脂肪腫(リポーマ)の違い

粉瘤は皮膚深層に袋状の組織ができ、その中には主に皮脂や角質がたまります。

脂肪腫は脂肪細胞から成る腫瘍で、皮下組織や筋層下に発生します。

その名の通り、主成分は脂肪です。

見た目について、粉瘤は全体的に青黒く、中心に黒い点が見られます。

一方、脂肪腫は、皮膚がただ隆起しているだけで色の変化は見られません。

手触りについて、粉瘤は硬いしこりを感じ、触れると柔らかさをあまり感じません。

脂肪腫はゴムのような柔らかさがあり、触れるとしっとりとした感触があります。弾力があることが特徴です。

粉瘤は初期だと痛みがありませんが、炎症を起こすと痛みや臭いが伴います。

脂肪腫は一般的には痛みを伴いませんが、血管脂肪腫の場合は痛みを感じることがあります。

粉瘤(アテローム)とおでき(せつ)の違い

粉瘤は主に皮脂や角質がたまり、皮膚の下に袋状の組織を形成することが原因です。

おできは黄色ブドウ球菌による毛包炎が進行して細菌感染が起こり、炎症が生じた症状です。

粉瘤は袋状の組織の中に老廃物がたまり炎症を引き起こすと、痛みや腫れが伴います。

おできは毛包炎から始まり、癤(せつ)に進行。赤みや痛みが増し、中心に膿の蓋ができ、最終的に破れて膿が排出されます。

粉瘤は顔、首、背中、脇の下など全身のどこにでも発生する可能性があります。

おできは特に首、胸、顔、おしりなどが好発地で、顔面にできることが一般的です。

粉瘤は幅広い年齢層で発生。特に40~50歳代に多く見られます。

おできは肥満者、高齢者、糖尿病患者に多く見られる傾向があります。

粉瘤は特定の感染源があるわけではなく、毛穴や皮脂の滞留が原因です。

おできは黄色ブドウ球菌が感染源となり、外傷後や免疫が低下した状態で発生します。

粉瘤は悪性に変化することはある?

まれに粉瘤が悪性に変化する場合があります。

この悪性化した腫瘍はがんの一種で、有棘細胞がんや基底細胞がんなどが報告されています。

原因ははっきりしておらず、長期間の放置や炎症が関与している可能性が指摘されています。

悪性化した粉瘤の症状は、有棘細胞がんの場合には赤っぽい色をしており、出血しやすく、悪臭を放つこともあります。

基底細胞がんは黒っぽい腫瘍で、進行すると潰瘍化する危険性もあります。これらの症状が見られる場合、早期の医療検査が必要です。

粉瘤は切らずに治せる?

粉瘤は一般的に手術以外では完全に治癒することは難しいと言われています。

粉瘤は袋状の嚢腫であり、その中に膿や異常な細胞がたまります。

この嚢腫の内容物や袋自体は自然治癒が難しく、通常は外科的手術が必要です。

手術以外の治療法としては、抗生物質や抗炎症薬の投与、嚢腫を穿刺して内容物を抜くことなどがありますが、炎症を抑えるための一時的な対処であり、根本的な解決にはなりません。

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