フローチャートでイボ診断!種類から治療法まで丸わかり
今回は、首や体にできるイボについてご自身でも見やすいように、フローチャートというものを使い説明していきます。
お体にできるイボですが、私が治療を得意としている軟性線維腫と言われるものだけではなく、ウイルス性のイボが混ざっていたり反対にウイルス性のイボではなく、全く違うもので治療ができないパターンというのもあります。
せっかく「今日で治療ができる!」と楽しみにクリニックにご来院してくださっても、治療が診断の結果できないとなるとがっかりしてしまう方がいらっしゃいます。
そういった意味で、少しでもお家で「私のイボはどれに当てはまる?」ということが分かると良いのではないかと思い今回フローチャートを準備することにしました。
初めに
フローチャートを作ってはみましたが、これは医師として私が診察しながら頭の中で考えるものなので、学会が推奨しているや他の先生がどのような考えで治療しているかなどは、先生によって異なります。そのため、今回のフローチャートは一例だと思っていただければ幸いです。
また、私自身は今までの多くの患者様の診察をしているため、イボを見た瞬間に「これはこの種類のイボ」「これは何色」と見分けがつきます。
しかし、みなさんがご自身のイボを見た時に、「フローチャートでは色が書いてあるけどこれはどっちの色?」やイボの「かたさ」の判断も自分一人では難しいかと思います。
そのため悩んだ時は、無理に判断しようとはせずに皮膚科に相談していただければ良いと思います。
判断に悩いクリニックを受診され、それでもよく分からない場合は、皮膚科も一軒だけではなくて2軒,3軒受診をしても問題ありません。
ご自身のイボがどのようなタイプか今回のフローチャートが1つの治療の手助けになってくれれば良いなと思っています。
フローチャート「あなたのイボを治す方法は」というイボ診断
スタートが「">首と体にできる多発性のイボかどうか」になります。軟性線維腫・アクロコルドンと言われるタイプのものが多いです。
しかし「首と体に出来てるものじゃない」「多発してない」場合は、違うものの可能性がありますので「NO」を選択していただきます。
1つ目は「手、指、足の裏や手の指先に白っぽい硬いイボ」の場合は、ウイルス性のイボの可能性が非常に高いです。
ウイルス性のイボは、液体窒素という治療が1番メインになります。
2つ目は「首ではなく顔に多発する大小様々な茶色っぽいイボ」の場合は、軟性線維腫・アクロコルドンと言われるものの仲間ですが、タイプが違う「脂漏性角化症」と言われるイボになります。
脂漏性角化症の場合は、フラクショナル炭酸ガスレーザーを使用しての治療が、1番効果的になります。
3つ目は「1つだけ存在するイボ」の場合は、相談いただくことが多いのですが、実は顔でも体でも、どこかに1個だけイボがあるという場合は診断が難しいです。
1個だけの場合は「腫瘍」「できもの」という風にお答えしてます。
できものなのでホクロなどの良性のものもありますし、アクロコルドンなどの大きいタイプのものが1個だけあるという場合もあります。
しかし、それだけでなくて皮膚癌の可能性というのも出てきます。
1個だけ大きめのものができた際は、放置せずに皮膚科専門医を受診し、しっかりととした診断を受けるのが1番オススメです。
次に、首と体に多発するイボ「YES」の方です。
「自分のイボは首とか体にいっぱいある」場合は、首とか体にイボがあるだけでなく、「手指や足の裏に他にイボがないか」を確認してください。
その理由として、指先や足の裏には軟性線維腫・アクロコルドンができることは、まずありません。
そのため、指先や足の裏にもイボがあった際は、手足の指にあるものはウイルス性のイボの可能性があります。
そうすると首のイボはアクロコルドン・軟性線維腫であり、指先にあるのはウイルス性のイボである可能性が高くなるのです。
ウイルス性のイボは、触るとウイルスに感染ることがあります。軟性線維腫・アクロコルドンとウイルス性のイボが混在していますので、一度、皮膚科を受診されることをオススメします。
次に、手と足の裏にイボがない場合は下の方に進んで行きます。
首と体にあるイボがゆっくり時間をかけて大きく(多く)なったものである場合は「YES」で下に進んでください。
反対に、2,3ヶ月〜半年以内で急激に増えたというときは「NO」となります。
これは何かというと次の項目の「妊娠前後で一気に増えてその後変化が無いかどうか」です。
実は、首や体にできるアクロコルドン・軟性線維腫は、妊娠の前後で急に増える時があります。
ホルモンのバランスが変わった時にスイッチが入り一気に数が増え、妊娠が出産が終わったら止まるということがあります。
妊娠出産で一気に増えた場合は、軟性線維腫の可能性があります。
妊娠出産に関係なく急に2,3ヶ月で増えた場合は、ウイルス性のイボの可能性がありますので皮膚科で相談してください。
余談になるのですが、「レーザートレラ症候群」という稀な症状ではあるのですが、急に茶色いイボが身体中に多発する症状もあります。
この場合は体の中に悪性腫瘍、胃癌や大腸癌などの悪いものが隠れていて、皮膚に反応として出てくることがあります。
そのため、妊娠出産に関係なくイボが一気に増えた際は、ウイルス性である事がほとんどなのです。しかし稀に体の中の悪いもののサインとして出てくることがありますので、皮膚科に相談に行くことをオススメします。
先ほど、妊娠前後で一気に増えて変化がないという項目で「YES」に進んだ方は、次に「イボの色は?」の項目に行きます。
イボの色は大事な項目になります。肌色や薄茶色・こげ茶色のように茶色であればアクロコルドンの可能性が高いです。
稀にほくろということもありますが、茶褐色に分類される系の色だとアクロコルドン・軟性線維腫が多く見られます。
肌色の場合も同様です。
アクロコルドンが2ミリ以下であれば、「mikoメソッド」という私が推奨している方法で取っていくのが1番効果的だと思っています。
※下の写真はmikoメソッドの治療を受けた患者様の治療前と治療後の比較写真になります。
体にできるイボや大きめのイボは、治療はできないことはないのですが、より綺麗に、傷跡なく治療するとなると「フラクショナル炭酸ガスレーザー」を使った方が良いです。
「ゆっくりと時間をかけてイボが増えたり大きくなっている」の項目が「YES」であった場合は、「イボはぴょこっと飛び出ているか」を確認してください。
飛び出たイボの場合は、軟性線維腫アクロコルドンの可能性が高いです。
イボがぴょこっとはしていなく、触るとザラザラしてる…という場合は、先ほどの「イボの色は?」の部分が何色かが重要になってきます。
イボの色が、肌色・薄茶・こげ茶である場合は、軟性線維腫・アクロコルドンの可能性が高くなります。
白っぽい色やグレー、オレンジ色っぽい、薄オレンジから薄赤色のイボの場合は、ウイルス性のイボの可能性が高いです。
白っぽい・グレー・オレンジ色・薄赤いイボは「かたくてトゲトゲしている?」「それとも柔らかい?」かを判断してください。
固くてトゲトゲしている場合は、ウイルス性のイボの可能性が高いです。
反対に柔らかいイボだが、色が白っぽい・グレー・オレンジ・薄い赤色だというものは、フローチャートだけで判断することがかなり難しいため、皮膚科に行って相談することをオススメします。
ウイルス性のイボであれば液体窒素での治療になってきます。
「ぴょこっと飛び出しているイボ」の項目が「YES」で、柔らかいイボの場合は、アクロコルドン・軟性線維腫の可能性が高くなります。
この場合は2mm以下の首にできているイボの治療は、mikoメソッドでの治療が1番おすすめです。
2mm以上の体に多発してるイボの治療に関しては、炭酸ガスフラクショナルレーザーを使用し、治療していくことをオススメします。
柔らかいイボであればアクロコルドンだけれども、固いイボの場合はウイルス性のイボというのも考えて、フローチャート全体を見渡してみました。
フローチャートが、イボの診断を見極める1つのお手伝いになればと思っています。どうしても個人差がありますので、これが全てではありません。
判断に悩んだ時は、専門家に相談してください。
フローチャートでイボ診断!種類から治療法まで丸わかり
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