肝斑治療
「肝斑」はレーザー厳禁!? シミ取りで失敗しないために
もしあなたが「シミなんてレーザーで簡単に消えるでしょ?」と思っているなら、ちょっとだけ待ってください。シミ取りレーザーでは消せないタイプのシミがあるって、知っていましたか?
シミ取りレーザーができないシミがあるって本当?
“シミは、レーザーで簡単に取れる”
そんな話を耳にしたAさんは、ずっと気になっていたシミをなんとかしたいとの思いで美容皮膚科クリニックを訪れました。
医師:「お肌を見せてくださいね。あ……、Aさん、“肝斑”がありますね。残念ながら、シミ取りレーザーはできません……。シミがもっと濃くなってしまいますので。」
Aさん:「え!?シミ取りレーザーが受けられないのですか?なんで??そもそも肝斑って何??」
さて、あなたは自分のシミが「肝斑」でないと自信をもって言えますか?
実際、肝斑と知らずにレーザー治療を受けて「余計にシミが濃くなってしまった」と後悔している方もいます。
- 肝斑とは何なのか?
- どうやって見分けるのか?
- もし肝斑だったら、レーザー以外にどんな治療があるのか?
この記事では、シミに悩む人が特に気になっている「肝斑」について詳しくお話します。治療法を間違えると逆に悪化してしまうこともありますので、正しい見分け方と自分に合った治療法を知ることがすごく大切。ぜひこの記事を読んで、肝斑への理解を深めてくださいね。
肝斑があると治療法が制限される理由
肝斑が「ある」か「ない」かによって、選べるシミ治療や美容施術が大きく変わってしまうため、肝斑は非常に厄介なシミと言えます。
実際に、肝斑があることで思い描いていた治療が受けられず、「せっかくシミを取りに来たのに……」と、がっかりされる患者さんは少なくありません。
例えば、ひとつ、代表的な症例を挙げましょう。
「肝斑」+「日光色素斑」。
この場合、シミ取りレーザー治療はできません。レーザーを当ててしまうと、肝斑もシミも、元より濃くなってしまう可能性が高いからです。
そんな、困った肝斑。いったい肝斑とはどんなシミなのでしょうか?
その特徴や治療方法をお伝えします。
\自分のシミが肝斑か気になる方はカウンセリング予約を/
肝斑の特徴
肝斑は一般的なシミとは性質が異なり、特徴的な見た目や反応を示します。正しく見分けることが適切な治療の第一歩。間違った対処法で悪化させてしまう前に、まずは肝斑の特徴をきちんと理解しておきましょう。自分のシミが何なのかわかれば、効果的なケア方法も見えてきます。
肝斑と他のシミとの違う特徴3つ
2. 肝斑治療は時間がかかる
3. 肝斑は再発しやすい
つまり 肝斑の治療の際に大事なのが、“肝斑はすごく厄介なシミ”だということを認識することです。 そしてその厄介なシミをどのように治療するか、治療前にしっかり戦略を立てなくてはいけません。
肝斑かどうかを自分でチェック
肝斑を自分で見分けるためのポイントをご紹介します。まずは肝斑の特徴を知り、ご自身の肌状態をチェックしてみましょう。
肝斑は、ぼんやりと広がる茶褐色のシミが特徴です。輪郭が不明瞭で、顔全体にくすんだ印象を与えることがあります。
実際に患者さんに「どのシミが気になりますか?」と尋ねると、「これ」と具体的に指し示すことが難しく、「なんとなくこのあたり」と指で丸く囲むケースが多いです。
このような曖昧な形状や広がり方こそが、肝斑の特徴と言えます。
鏡を見ながら以下の点を確認してみてください。
セルフチェックのポイント
- 左右対称に広がっているか?
- 輪郭がぼんやりしているか?
- 顔全体がくすんだ印象になっているか?
ただし、セルフチェックだけでの確定診断は難しい場合が多いです。
少しでも気になる場合は、専門医による診断を受けてみましょう。
シミの診察・診断予約はこちらまで
↓症例↓
・年齢
30~70代、特に30歳前後から頬に見られるようになります。個人差はありますが、年齢とともに濃くなり、50代をピークに薄くなる傾向がみられます。
・性別
男女ともに生じますが、女性により出やすいです。教科書的には、「男性はまれ」「主に女性に出る」と記載されているのですが、近年は男性の患者さんにも肝斑が増えてきた印象があります。
・分布
両頬にほぼ左右対象に広がる症状が典型的です。その他、額や眉毛直上、鼻の下などに生じるケースもあります。
(皮膚科学、第10版、506頁)
教科書的には上記のように分布するのですが、実際に当院で治療した患者さんのケースでは、頬全体に広がっていたりフェイスラインに見られたりすることもあります。
ズバリ!肝斑の特徴をひと言であらわすと……
30歳ごろから、両頬にベタ〜ッと面で広がる、薄茶色の左右対称なシミのこと
↓見極めポイント↓
・30歳ごろから発生することが多い
・両頬に左右対称にできる
・ベタ〜ッと面で広がる
・薄茶色(茶褐色)
似て非なる肝斑とシミは見極めが肝心!
肝斑に似ているシミ。シミが出る場所もまた、肝斑が出やすい場所です。ここでご紹介するシミは、肝斑と違ってレーザーなどですっきり治療できるので、ぜひ最初に見分けたいところです。
肝斑と類似の症例
セルフチェックでは違いがわかりづらい症例をご紹介します。
肝斑と類似の症例1. ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
ADM(後天性真皮メラノーシス)は、肝斑とは異なる特徴を持つシミの一種です。その発症には2つの典型的なパターンがあります。
・若年期に発症するケース
中学生ごろから24歳ごろまでの間に発症することが多いです。この時期に現れるADMは、比較的早い段階で目立つようになります。
・成人期に発症するケース
30歳から44歳ごろにかけて発症する場合もあります。このタイプは、加齢やその他の要因と関連していることが考えられます。
・肝斑とADMが合併している例
また、ADMは肝斑と合併していることもあり、それぞれの治療法を適切に選ぶ必要があります。ADMは、レーザー治療で、再発することなくキレイに改善することができます。
肝斑とは異なり、レーザー治療が適しているため、専門医による正確な診断が重要です。
肝斑と類似の症例2. そばかす(雀卵斑)
そばかす(雀卵斑)は、肝斑とは異なる特徴を持つ色素斑の一種です。以下にその特徴をまとめます。
・発症年齢:
そばかすは3歳ごろから現れ始め、特に両頬を中心に多発します。個々の色素斑は小さく、直径3mm程度の点状です。
・形状と分布:
色素斑はドット状で、それぞれが独立しているのが特徴です。また、肝斑とは異なり、鼻背(鼻の中央部分)にもドット状の色素斑が見られることがあります。
・季節による変化:
夏に日光を浴びると濃くなり、冬にはやや薄くなる傾向があります。このような季節的な変化もそばかすの特徴です。
そばかすは肝斑と異なり、レーザー治療などで効果が出やすいシミです。そのため、正確に見分けることで効率的な治療が可能になります。
肝斑かどうかの自己診断は非常に困難
典型的な肝斑であれば、ご自身でも見分けられるかもしれません。しかし、実際には症状や分布に多くのバリエーションがあります。
そのため、皮膚科専門医でも肝斑かどうか判断に迷う症例があり、診察する医師(クリニック)によって診断が異なる場合もあるのです。
ご自身のセルフチェックで「肝斑なし」と判断し、それにもとづいて行ったスキンケアが、かえって肝斑を悪化させてしまうこともあります。
自己判断で少しでも迷ったときは、クリニックで正確な診断を受けることをおすすめします。
肝斑の診断は皮膚科医に任せましょう!
FLALUクリニックでは、肌分析画像診断器「re-Beau 2(レビュー)」などを使って肌の状態を撮影し、その画像をもとに診断しています。
「診断器で肌分析」………………………………肝斑確定度 40%ほど
「拡大鏡」…………………………………………肝斑確定度 60%ほど
「皮膚ガラス圧視板」……………………………肝斑確定度 80%ほど
「医師による診察」………………………………肝斑確定度 100%
複数の専門機器を駆使して、段階的に診断を重ねていき、最終的に肝斑の有無を確定します。
この工程がなければ、肝斑を他のシミと誤診してしまう可能性が高くなります。
当院で提供している肝斑治療の詳細な流れについて知りたい方は、「クリニックにおけるレーザートーニング治療の流れ」」をごらんください。
肝斑治療|原因から探る肝斑の正しい消し方とは
肝斑を効果的に治療するためには、まず「なぜ肝斑ができるのか?」という原因を理解することが重要です。原因を正しく把握することで、適切な治療法を選び、治療効果を最大化することができます。
ここでは、肝斑の原因について詳しく説明し、それをもとにした治療アプローチをご紹介します。
肝斑ができる原因は?【FLALU仮説】
肝斑ができる原因は、現在の医学でも完全には解明されていません。皮膚科の教科書にも「原因は不明」と記載されていることが多いです。ただし、これまでの研究や臨床経験から、いくつかの要因が関与していると考えられています。
以前から女性ホルモンの影響が指摘されていますが、ホルモン量と肝斑の有無には明確な関連性がないことも論文で報告されています。これにより、ホルモンバランス以外の要因も重要であると考えられるようになりました。
紫外線や摩擦による刺激が肝斑を悪化させる要因として挙げられており、これらが複合的に作用して肝斑を引き起こす可能性があります。原因を正しく理解することは、適切な治療法を選ぶためにも重要です。
そこで当院では、長年の肝斑治療の経験から、肝斑が生じる原因を大きく2つに分けて考えています。
そのいずれにも、MSH(メラニン細胞刺激ホルモン:melanocyte-stimulating hormone)が深く関与していると推測しています。
MSHは、分泌量が増えるほど肝斑を濃くする作用があると考えられます。
では、MSHが増える原因についてまとめてみましょう。
MSHが増える原因1. 外側(皮膚)からの原因
紫外線や摩擦などの刺激を受けると、皮膚の表皮細胞自体がMSHを作り出します。
皮膚が炎症を起こすと、その直下(真皮浅層)で毛細血管が拡張したり、慢性的な刺激によって血管が増えたりします。その結果、その部分で血液中のMSHの影響を受けやすくなります。
MSHが増える原因2. 内側(体内)からの原因
遺伝的にMSHが作られやすい体質である場合。
脳下垂体からMSHが分泌されますが、女性ホルモンも同じ脳下垂体から分泌されます。そのため女性ホルモンに関連した薬を内服すると、MSHも影響を受けて肝斑が濃くなる可能性があります。
他疾患の治療薬の副作用として光線過敏や光アレルギーが起きている場合、紫外線を浴びた際に過剰なMSH産生につながります。
体内に金属などが存在し、それによって慢性的な炎症が起きている場合、その炎症を抑えるためにMSH産生が増加します。
これら複数の要因が複雑に組み合わさることで、肝斑が発生していると当院では考えています。
原因から考える肝斑治療のおさえどころ3つ
肝斑治療で特に大切なポイントをおさえておきましょう。
肝斑を効果的に改善するためには、次の3つのアプローチを同時に進めることが重要です。
① 炎症を抑える
皮膚の炎症は肝斑を悪化させる原因になります。徹底的に炎症を抑えましょう。
肌への「摩擦」「かぶれ」「刺激」を極力避ける
紫外線対策を徹底する
MSH(メラニン細胞刺激ホルモン)の働きを抑える飲み薬を服用する
② ターンオーバーを整える
肌のターンオーバー(新陳代謝)を正常化し、現在ある色素沈着を早く肌表面へ押し出します。
③ 真皮層の状態を安定化させる
皮膚の深い部分(真皮層)の状態を安定させることで、肝斑が再発しにくい肌環境を作ります。
これら3つのポイントを同時進行で行うことで、肝斑治療はより効果的になります。
肝斑治療1)スキンケアと飲み薬
レアセラム + トラネキサム酸
【効果を実感し始めるまでの期間】……6週間ほど
この治療プランは、FLALUクリニックでも、レーザートーニングと一緒に、あるいはトーニング治療前の2ヶ月ほど前に先行して行っています。
肝斑のケアを始めたいけれど何が良いかわからない……
どこのクリニックが良いの?
なんて迷っているときは、まずはこちらからスタートするのがおすすめです。
クリニック選びをしているあいだに、肝斑が目立たなくなる可能性もあります。
スキンケアと飲み薬でどこまでキレイになるのか、実際の治療ケースを見てみましょう。
【症例1:49歳女性:フラル肝斑セット(トラネキサム酸内服、ビタミン内服、レアセラム使用)】
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<患者さんのコメント>
8年ほど前から肝斑が目立つようになってきた。レーザー治療は通院も大変だと思ったので、まずは気軽に始められるフラル肝斑セットをスタート。治療を開始して、1ヶ月ほどで肝斑が薄くなってきたことを実感し、4ヶ月続けたら薄くパウダーファンデーションを塗るだけで、肝斑が隠れるくらいまで薄くなりました。
近所のコンビニくらいなら、スッピンで出かけられるようになってうれしいです。
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【症例2:55歳女性:フラル肝斑セット(トラネキサム酸内服、ビタミン内服、レアセラム、フラルクレンジング使用)】
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<患者さんのコメント>
長年肝斑で悩んでいて、あれこれクリニックでも相談したのですが、私の肝斑は一度は良くなってもすぐぶり返すタイプでした。
ところが、スキンケアをクリニックで新しく発売になったレアセラムに変えたところ……3ヶ月使ったところで、見違えるくらいに肝斑が薄くなった。
トラネキサム酸は、1年以上飲んでいたのに肝斑は改善しなかったのが、スキンケアを変えただけで他は一切変えていないのにこんなにキレイになって、本当にびっくりしています。
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肝斑治療に効果的なスキンケアとメイク
当院での治療経験から、肝斑を改善させるスキンケアは下記の通りです。
・スキンケアアイテムを変え、スキンケア方法を見直すことで、肌の外側から炎症を抑える。
スキンケア+内服で①②の炎症を抑え、ターンオーバーを整えることは可能です。
ただし、③の皮膚深くの肌細胞を安定させる……に直接働きかけることはできないので、肝斑を改善するスキンケアを1年ほど続けることで、肌細胞が落ち着くのを待ちます。
a)スキンケアアイテムの選び方ポイント
・洗顔とクレンジングを1本にする
クレンジングは、保湿力が少ないもののほうが効果が高いです。
・洗顔後に塗るアイテムは1〜2個だけに絞る
・全成分表示を見てメインの有効成分がシンプルなものを選ぶ
・肌からの浸透性、効果が実証されている成分を選ぶ
Dr.mikoのおすすめは、両親媒性のビタミンC誘導体「APPS(パルミチン酸アスコルビン酸リン酸ナトリウム)」
・できるだけ鮮度の良いものを選ぶ
・高濃度すぎるビタミンCは逆効果なので避ける
ビタミンCが10%以上配合されているものは刺激を感じる人もいるので注意
・過度の保湿はNG
ターンオーバーが遅くなる原因になるので避けましょう。化粧水または美容液を塗って、30分後には突っ張らないけれどさらりとした肌が理想的。手のひらに肌が吸い付くようだと過度の保湿と考えます。
b)メイク方法のポイント
・使用するアイテムは少数精鋭&粉タイプがおすすめ
あれもこれも塗り重ねるとかぶれの原因になるので「日焼け止め+パウダーファンデーション」だけのシンプルなベースメイクがおすすめ
・日焼け止めを塗った時に「ピリッとする」「熱いと感じる」など感じた際は、すぐに洗い落として、その商品は使用中止
・リキッドファンデーション、クッションファンデーション、クリームファンデーションは、お休み
刺激の点と過度の保湿をしてしまう点でおすすめできない
c)洗顔のポイント
美容液を塗るときなどに肌を触りすぎない。
……などなど。
肝斑を改善するためのスキンケアアイテム、何を使っていいか探すのも大変、せっかく選んでも肌に合わなければもったいない……。
そんなときのために、Dr.miko(皮膚科専門医・FLALUクリニック理事長)が16年以上の臨床経験をもとに開発した、肝斑・シミ改善に特化した「レアセラム」を含む「フラル肝斑セット」をご用意しています。
肝斑治療2)クリニックでレーザートーニング|効果優先プラン
スキンケアとトラネキサム酸の内服により、肌表面の炎症を抑えターンオーバーを整えることは、肝斑治療の基本です。
しかし、スキンケアだけでは改善しにくい肌の深部(真皮層)の安定化には、レーザートーニングが効果的です。
当院では、これまで多くの患者さんを治療してきた経験から、一人ひとり異なる「シミの厚さ」「肝斑の深さ」「肌質」を正確に見極めています。
そのうえで、従来型のレーザートーニングとピコトーニングという2種類のレーザーを最適なバランスで組み合わせることで、より高い治療効果を実現しています。
【症例:レーザートーニング9回施術後】
患者さんごとの肌状態に合わせてレーザーを使い分けることが、当院ならではの強みです。
肝斑治療において効果を優先したい方には、このレーザートーニングによる治療プランが特におすすめです。
\レーザートーニングの治療プランはこちらから/
肝斑治療におけるレーザートーニングの効果と注意点
レーザートーニングで肝斑治療を受けるときは、前日と当日のちょっとした準備がとても大切です。実は、産毛の処理やメイクの選び方など、小さな注意点を知っているだけで、治療がスムーズに、安全に進められるのです。治療前日と当日に知っておいてほしいポイントを分かりやすくお伝えします。
レーザートーニング治療前日・当日の注意事項
治療前日までのお願い
顔の産毛が多いと、レーザートーニングのパワーを産毛に吸収されてしまい、治療効果が落ちます。
頬を下から上に撫で上げたときに産毛の引っ掛かりを感じるような状態の場合は、治療の前日までに産毛剃りを行ってください。(産毛を剃り忘れていても治療は可能です。)
治療当日のお願い
レーザートーニングを受ける当日は、守っていただきたいお願いがあります。それは、ラメ入りのメイクアイテムを使用しないことです。
治療前に洗顔を行いますが、アイシャドウなどのラメが頬に落ちている場合、2~3回洗顔をしても完全に取り除けないことがあります。このラメが肌に残った状態でレーザーを照射すると、赤いニキビのようなぷつぷつとした症状が出る可能性があります。
安全で効果的な治療を行うためにも、治療当日はラメ入りの化粧品の使用を避けていただくようお願いいたします。
レーザートーニングの治療間隔
・治療初期:最初は1~2週に一度ペースで進めます。
・治療中期:肌の反応を見ながら、3~4回(一度/1〜2週)ほど、施術を繰り返します。
・治療後期:その後、1ヶ月に一度程度行います。
トーニングで改善が期待できる理由
トーニングには以下の2つの効果があるため、シミや肝斑などの改善が期待できます。
①メラニン生成を抑える効果
メラニンの過剰な生成を抑制することで、色素沈着を薄くします。
②肌全体への穏やかな刺激による効果
穏やかなレーザー刺激が肌全体に働きかけ、色素を徐々に排出させます。
これら2つの作用が相乗的に働くことで、肌の色ムラが改善されていきます。
レーザートーニングの嬉しい+αの効果
レーザートーニング治療は、「広く」「深く」「マイルドに」照射することで肝斑を改善するだけでなく、もう一つ嬉しい肌の変化をもたらします。それは、毛穴が引き締まり、すべすべの肌になること。そして、肌のハリが出てたるみが解消されることです。
レーザーによって頬全体の深い部分(真皮層)に穏やかに熱が加えられることで、肌内部のコラーゲン生成が促進されます。その結果、肌にふっくらとしたハリが生まれ、まるで10年前のような若々しい肌を取り戻すことが期待できるのです。
肝斑治療だけでなく、美肌効果も得られる点がレーザートーニングの大きな魅力ですね。
レーザートーニングとピコトーニングの違い
レーザートーニングとピコトーニングはどちらも肝斑治療に有効ですが、それぞれ特徴が異なります。
パルス幅:レーザートーニングはナノ秒(10億分の1秒)単位で照射するため、肌の深部にまで到達し、メラニン色素を熱で破壊します。一方、ピコトーニングはピコ秒(1兆分の1秒)単位で照射し、衝撃波によってメラニン色素を粉砕することで、肌表面への熱ダメージを軽減します。
効果:レーザートーニングは色素沈着の改善や美白効果に適しており、肌のハリや弾力改善にも効果があります。ピコトーニングは、肌の色素沈着を直接改善するというよりも、真皮の状態を整える効果に優れています。真皮の状態が良くなることで、結果的に肌の色素沈着が改善されるというわけです。また、真皮層に作用するので、毛穴の引き締めやたるみの改善といった効果も期待できます。
ダウンタイム:レーザートーニングは通常数時間程度で赤みや腫れが収まりますが、個人差があり最大で1〜2日ほど続くこともあります。一方、ピコトーニングは照射後に軽度の赤みと腫れが数日間あります。また、毛穴で炎症を起こして赤いプツプツやかゆみを伴うこともあります。(*この場合は炎症を抑える薬を併用します。)
両者は、同じ1064nmという波長の機器ですが、レーザートーニング(C6レーザー)とピコトーニングは、下記のような違いがあると感じています。
項目 | レーザートーニング | ピコトーニング |
深さ | 中程度(真皮浅層) | 深い(真皮中層) |
刺激の強さ | 弱い(〇) | やや強い(△) |
- レーザートーニングは深さは中程度で、刺激も弱い
- ピコトーニングは、深くまで届き、刺激がやや強い
レーザートーニングとピコトーニングの選択について
ピコトーニングが肝斑治療に適していると考える患者さんもいらっしゃいますが、当院の経験では、C6レーザーによるレーザートーニングの方が肝斑を悪化させるリスクが少ない傾向があります。
一方で、ピコトーニングは低出力で行う場合には安全性が高く、肝斑治療にも効果的であるとされていますが、照射方法や肌の状態によっては刺激が強く感じられることもあり、適切な設定で行わないと一時的に肝斑が悪化するケースも報告されています。
そのため、当院では患者さん一人ひとりの肌質や真皮層の状態を、肌分析診断器や医師の診察によって丁寧に判断し、最適なレーザーを選択・ご提案しています。このように個別対応を行うことで、より安全かつ効果的な治療を提供しています。
どちらを選ぶべきかは個人差がありますので、専門医と相談することをおすすめします。
クリニックにおけるレーザートーニング治療の流れ
1)肌分析
レーザートーニング治療の前には、まず洗顔を行い、その後、肌分析を実施します。
当院で使用している肌分析画像診断器「re-Beau 2(レビュー)」は、肉眼では確認しづらい肌トラブルを詳細に解析できる高性能な機器です。
この機器では、UV画像を用いて以下のような隠れた肌状態を撮影・診断します。隠れたシミや肝斑、表面には見えない色素沈着も確認可能です。
2)医師による診察
実際のお肌の状態、分析機器の情報と合わせて拡大鏡(ダーモスコピー)や皮膚ガラス圧視板などを使用しながら、シミの状態を診断していきます。
「ダーモスコピー」:皮膚の色素や構造を詳しく観察し、シミやほくろなどを診断するための特殊な拡大鏡
「皮膚ガラス圧視板」:皮膚の病変部を透明なガラス板で圧迫し、血管の拡張や色素の状態を観察するための診察器具
3)治療プランをご提案
あなたのお肌に合ったC6レーザー、ピコレーザーの組み合わせ治療をご提案いたします。
肝斑の改善にトーニングを使う理由とは?
※ご留意ください※
ここからは、完全に理事長・髙田の仮説による作用機序の考察です。学術論文で実証されている情報ではありませんので、将来的に修正される可能性があることをご了承ください。
トーニング治療による肝斑改善の経過について
Dr.mikoが患者さんの治療経過を見てきたところによると、トーニング治療(C6レーザーやピコレーザー)は、肝斑が改善してきたと実感するまでに数回の施術が必要です。特に、3回目の治療を終えた後、4回目の治療時に患者さん自身もクリニックスタッフも「肝斑が改善してきましたね」と感じることが多い傾向があります。
この改善が現れる理由は、トーニング治療が肝斑の「色そのもの」に直接作用するのではなく、肝斑ができる原因、その中でも真皮層の状態を安定化させることに効果を発揮しているからだと考えています。
治療効果のタイミングについて
肌表面にレーザーが直接作用する場合は、10日ほどで改善が見られる可能性があります。
一方で、トーニング治療では真皮層の安定化を促し、ターンオーバー(肌の新陳代謝)を整えることで効果を発揮します。そのため、4回目の治療(開始から約4~6週経過)頃に肝斑が薄くなり始めることが多いです。
ターンオーバーによる改善メカニズム
- 現在ある色素沈着が押し出される
- 新しい色素生成が抑えられる
これらの作用で徐々に肝斑が薄くなっていくと思われます。
このように、トーニング治療は真皮層への働きかけによって根本的な改善を目指すアプローチです。時間をかけて継続することで、より効果的な結果が得られる可能性があります。
\トーニング治療のお問い合わせはこちらから/
肝斑治療を成功させるためのポイント
肝斑治療を成功させるためには、飲み薬も併用するのがおすすめです。内服薬との併用で治療効果が高まります。
1)飲み薬を併用するのが治療のテッパン
肝斑の治療において最も効果的な方法は、レーザートーニングと内服薬による治療の組み合わせです。
特に肌が敏感で刺激を受けやすい状態にある患者さんには、レーザートーニング治療を開始する前に、2ヶ月程度の準備期間として美白効果のある内服薬による治療を行うことをおすすめします。
この事前治療により、その後のレーザートーニングの効果がよりはっきりと現れることが期待できるのです。
【ご注意ください】
以下に該当する方は、内服薬による治療が適さない可能性があるため、事前にご相談ください。
- 脳梗塞の既往歴がある方
- 心臓疾患で抗凝固薬を服用している方
- 経口避妊薬(ピル)を服用中の方
- 喫煙習慣のある方
また、高血圧や糖尿病などの生活習慣病で治療を受けている方も、内服治療を開始する前に必ずご相談ください。
2)適切なスキンケアも不可欠
肝斑治療には、「摩擦」「刺激」「炎症」を避けるスキンケアも不可欠です。
肝斑は、クリニックでの治療だけでは完全な改善が難しいケースも少なくありません。日々のスキンケアアイテムや手入れ方法を見直し、肝斑悪化の原因を取り除くことが重要です。
そこで当院では、治療と並行して日常のスキンケアでの適切な手の使い方や生活習慣の注意点をご案内しています。
不適切な美容施術で症状が悪化することもあるため、日常生活で気になることがあったら専門家に相談することをおすすめします。
3)肝斑を悪化させないための生活習慣
肝斑の改善には、日常生活での紫外線対策やストレス管理を含めた総合的なケアが欠かせません。具体的に気をつけてほしいことをまとめておきます。
紫外線対策
紫外線は肝斑を悪化させる主要な原因です。日焼け止めを毎日使用し、高SPF・PA値の製品を選びましょう。帽子やサングラス、日傘など物理的な遮光も併用して紫外線から肌を守ることが重要です。
摩擦や刺激を避けるスキンケア
洗顔やクレンジングは優しく行い、ゴシゴシこすらないようにしましょう。肌への刺激が少ない低刺激性のスキンケア製品を選び、過度なマッサージやスクラブの使用は控えることが肝斑悪化防止につながります。
ストレス管理
ストレスはホルモンバランスを乱し、肝斑を悪化させる可能性があります。瞑想や趣味、適度な運動など、自分に合ったリラックス方法を取り入れましょう。
その他
十分な睡眠とバランスの取れた食事もホルモンバランスの維持に役立ちます。
これらの生活習慣とスキンケアを見直すことで、肝斑の悪化を防ぎ、症状改善につながる可能性が大きくなります。
肝斑治療時・治療前後の注意点
レーザートーニングによる肝斑治療を安全かつ効果的に進めるためには、治療前後の注意点をしっかり守ることが重要です。紫外線対策や使用中の化粧品の見直し、さらに治療中の頻度管理まで、適切なケアを行うことで副作用を防ぎながら、より良い治療結果を目指しましょう。
治療前
・紫外線対策
紫外線対策をいつも以上に徹底してください。日焼け止めをこまめに塗り直し(2〜3時間おきが理想)、帽子や日傘を活用することも重要です。
・トレチノイン、レチノール化粧品、ニキビ薬の使用休止
トレチノインやレチノールが入った化粧品、ニキビ薬を使用している方で当院の治療をご希望の方は、来院までの1週間はこれらの使用を休止してください。
治療中
レーザートーニングによる肝斑治療では、「回数を多く重ねるほど綺麗になるのではないか?」と考える方もいますが、治療のやりすぎには注意が必要です。
治療頻度が多すぎると、肌の色を作り出す「メラノサイト(色素細胞)」が傷つけられるリスクがあります。
メラノサイトが破壊されると、肌色が作られなくなり、「白斑」という皮膚が白く抜ける症状を起こすことがあります。
治療を安全に進めるためには以下の注意点をおさえておきましょう。
レーザートーニング治療は、頻度や回数が多ければ良いというものではない。
治療5回に1回程度の頻度で、白斑が起きていないかを肌分析で確認することをおすすめします。
副作用(白斑)の可能性をきちんと考慮し、適切な頻度で治療を行いましょう。
治療後
レーザーを受けた後の2週間は、肌がとてもデリケートな状態です。いつもよりちょっと優しくしてあげてくださいね。以下のポイントに気をつけると、肌の回復がスムーズになりますよ。
① 入浴するときの湯温
いつもよりぬるめの、38度以下のお湯がおすすめです。熱いお湯だと肌に負担がかかって、せっかくの治療効果が弱まってしまうことがあるんです。
② メイクのときのコツ
ファンデーションは、パウダータイプが安心です。スポンジやパフよりも、清潔な指先でポンポンと軽くのせると、肌に余計な刺激を与えずに済みますよ。
アイシャドウもパウダータイプがベスト。クリームやリキッドタイプだと肌に負担をかけやすいので、この期間は控えてくださいね。
FLALUクリニックでは、副作用を防ぐための適切な日常ケア方法についても詳しく指導しています。
肝斑治療|よくある質問(FAQ)
肝斑に関して患者さまからよく寄せられるご質問にお答えします。「肝斑は本当に治るの?」「何が原因で起こるの?」など、みなさまの疑問点を医学的根拠にもとづいてわかりやすくお答えします。肝斑でお悩みの方の疑問を解消できるようにポイントをおさえていますので、ぜひ参考にしてください。
質問1. 肝斑は完全に消えますか?
肝斑は原因が完全になくなれば治ります。肝斑の原因の外側からの原因である「炎症」「摩擦や刺激」「真皮の不安定さ」の改善、そして、内側からの原因「MSHの増加」が改善されれば治ると考えられます。
質問2. 肝斑ができやすい人の特徴は?
肝斑ができやすいのは、ホルモンバランスが崩れている方に多いようです。女性ホルモンのバランスが乱れると、メラノサイトという細胞が活発になり、メラニン色素が必要以上に作られて、肝斑として現れてしまいます。妊娠や出産、ピルの使用、更年期など女性ホルモンが大きく変化する時期には、肝斑が目立ってくることが少なくありません。また、生活リズムの乱れやストレスも、ホルモンバランスを崩す一因となり得ます。
質問3. ビタミンCは肝斑に効きますか?
ビタミンCは、メラニン色素の生成を抑えるだけでなく、すでにできているメラニンを薄くする働きも持っています。また、ビタミンCには強い抗酸化作用があり、肌の炎症を和らげたり、紫外線から肌を守ったりする効果も期待できます。こうした働きによって、肝斑の広がりを防ぎながら、比較的早く目で見て分かる変化を感じられるかもしれません。
質問4. 肝斑はレチノールで悪化しますか?
レチノールは肌のターンオーバーを促進する成分として知られていますが、肝斑が気になる場合は注意が必要です。肌質やレチノールの濃度によっては、レチノールに反応して肌が敏感になるためです。 特に肝斑が見られる箇所に直接塗布する場合は、濃度や頻度に注意が必要です。
質問5. 肝斑が再発しました。なぜですか?
レーザーなどの治療を行っても、皮膚側の原因、内側の原因などの悪化原因が続いているためです。
質問6. IPL(フォトフェイシャルなど)は肝斑に効きますか?
IPLも肝斑の治療で用いられることがあります。IPLは浅い表皮によく反応するため、表皮内にメラニンが多くあるケースや、ターンオーバーが遅れているケースではIPLを使うメリットもあります。でも、表皮をターゲットに治療すのであれば、IPLを使わなくてもスキンケアを見直すことで表皮内にたまっているメラニンを早く押し出せます。
せっかく医療機器を使うなら、スキンケアだけでは改善しにくい「真皮の不安定さ」をターゲットにした使用が効果的と言えるので、真皮まで効果が届くタイプのレーザー、つまり1064nmの波長のC6レーザーや、ピコレーザーの使用を当院では推奨しています。これゆえ現在、当院では肝斑治療にはIPLを使っていません。
質問7. 飲み薬も内服したほうが良いですか?
はい。内服したほうが肝斑治療の効果が高いことが論文でも発表されています。
質問8. 肝斑は保険適用になりますか?
肝斑治療には基本的に保険が適用されません。治療費用や薬代が全額自己負担になります。ただし、皮膚科で正しい診断を受けて治療するほうが結果的には費用が安く済む場合があるので、気になる方はぜひ受診してみてください。
まとめ|肝斑とは何か
肝斑に関する重要なポイントを再確認しておきましょう。
肝斑の定義
肝斑(かんぱん)は、顔の皮膚に現れる色素異常症で、左右対称に薄茶色や褐色の斑点が広がるのが特徴。両頬に左右対称に現れて、ベタ〜っと広がる茶褐色のシミです。
主に頬骨付近や額、鼻の下など紫外線を受けやすい部分に現れますが、まぶたや髪の生え際には発生しません。
肝斑の症状
輪郭が不明瞭で均一な褐色調の斑点が現れます。肌全体がくすんだ印象を与えることがありますが、かゆみや炎症は伴いません。
刺激(紫外線、摩擦、かぶれ、美容施術)で悪化するので、要注意です。
季節的変動があり、夏季に悪化することがあります。
肝斑の原因
肝斑の主な原因は、紫外線やホルモンバランス、遺伝、薬剤の4つが挙げられます。
治療はクリニックで
肝斑は適切な診断と治療だけでなく、日常生活で悪化要因を取り除くことが重要です。クリニックでの治療とセルフケアを両立させましょう。
・治療は、刺激と炎症をなくし、肌の安定化を進めることが効果的
・焦りは禁物!治療効果が出るまで数週間はかかる
FLALUのおすすめケア
①かぶれを起こさず炎症を抑える美容液 レアセラム
②炎症を抑える飲み薬 トラネキサム酸
③真皮を安定させるトーニングレーザー