シミ治療=レーザーで簡単に取れると思っている方・必見!
シミ治療の代名詞は、レーザーですが、レーザー治療を受ければ、シミが消しゴムで消したようにキレイになると思っている方もいるかもしれませんがそれは違います。
レーザー治療後、おおよそ1ヵ月ぐらい経過してから、炎症後色素沈着という色が出てくるケースが、レーザー治療を行った方の50%ぐらいで見られます。(※50%というのは、あくまで当院の医師の印象です)
最初はキレイにシミが消えていたのに…
右頬の直径1.3㎝ほどのシミ、30代女性。
レーザー照射で1回で、本当に消しゴムで消したかのようにきれいになりましたが…
照射からちょうど1ヵ月たったところで、色のぶり返しが見られるようになりました。
(左が照射前、右がレーザー照射後1ヵ月)
この写真の方は、当院のスタッフなので、治療直後からこまめに経過を診ていました。
レーザー照射前から、なんとなく色のぶり返しが出そうな肌質だったので、レーザー照射後色のぶり返しを起こす可能性があること、経過の写真を撮ったりなどの協力をお願いしていました。
治療後1週間:シミがかさぶたとともにキレイに取れて、本当にレーザーの効果の高さを感じる結果。
治療後2週間:キレイなままです。このままキレイになってくれれば嬉しいのですが。
治療後3週間:全く色のぶり返す様子もなく、シミが取れてキレイになったままです。
治療後4週間:色がぶり返してきました。ご本人のお話では、3日前ぐらい(つまり、治療後27日経過したくらい)から急にぼんやりとした色が出てきたという印象だったとのことです。
・この程度の色のぶり返しで済むのか
・それとも、もっともっと色が濃くなるのか
通常の治療では、このくらい色が戻ってきたら美白剤を使用するよう説明したりしていますが、今回は何もせずに様子を見る予定です。
炎症後色素沈着は1ヵ月後ぐらいに出てくる
今回、シミが取れた後にうっすらとした茶色が出てきた、この色はそれまであった「シミ」とは違うものです。
「シミ」はレーザー治療で取れたがレーザー治療の影響で「炎症後色素沈着」という別の色が出てきたということになります。
この炎症後色素沈着。身近な経験例でいうと「やけど」と一緒です。
やけどが治った後に、うっすらとした茶色のシミがしばらく残った経験がある人も多いのではないでしょうか?
治療後はすぐに色は出てこなくて、今回のように1ヵ月後からじわじわと出てきます。
・うっすら色がつく人
・しっかり元の色と同じくらい色がつく人
・以前よりも濃くなる人(肝斑があると、このケースが多い)
イボに液体窒素治療を行った時も、同様に1ヵ月ほどでこのような茶色の色素沈着が出てくるケースがほとんどですね。
炎症後色素沈着が出てしまった時のケア方法
せっかくレーザー治療を行って、最初のうちはキレイにシミも消えていたのに1ヵ月でぶり返しの炎症後色素沈着が出てくるなんて、ショックですよね。
でも、ご安心ください。この炎症後色素沈着はもともとあったシミと比べて表面にある色なので、治療方法があります。
1.時間の経過とともに薄くなるのを待つ(半年~1年ほど)
2.美白剤で薄くする
3.トレチノイン+美白剤でケアして消す
という、3つの選択肢です。
どの選択肢を選んでも、全く問題ありませんが、キレイになるまでの時間が異なります。
1の場合は:半年から1年ぐらいはかかると思います
2の場合は:半年程度
3の場合は:早いと1ヵ月でキレイになります(だいたいは1~3ヵ月程度)
そもそもレーザー不要では?
先ほどの「(3)トレチノインと美白剤でシミを消す」ができるのであれば、そもそもレーザーを使って治療する必要がないのでは?というお声も聞こえてきます。
つまり、レーザーを使用せずに最初から塗り薬でシミを治療する方法です。
そうです、トレチノイン+美白剤だけでもシミは取れます。
でも、実際の治療の現場では塗り薬だけでシミが取れることもお話ししたうえで、レーザーも併用することもあります。
その理由は、レーザー治療の方が治療をスタートしたときにシミは取れるものだという満足度が高いためです。
②もともとのシミはレーザーの方が効果が良い
③キレイになるまでの時間短縮
・レーザーだと、色のぶり返しがなかった場合1週間でキレイになります
・色のぶり返しがあっても、塗り薬を使うと1~3ヵ月ほどでキレイになる
こんなメリットがあるので、レーザー+塗り薬を選ばれる方も多いですよ。
私も、自分が治療を受けるならこの選択肢を選びますね。
レーザーでシミ治療を行った経過と炎症後色素沈着について
・レーザー照射後、炎症後色素沈着と呼ばれる色のぶり返しがある人がいる
・ぶり返しの色は1ヵ月ほど経過した頃に出てくる
・ぶり返しの色は塗り薬治療がオススメ