顔イボができる原因は?皮膚科で顔のイボ取り・除去

顔イボ治療

顔にイボができる原因 について、誰もが一度は疑問を抱くものです。

自分の顔にイボができてしまったとき、「顔のイボ取りをどうするか」と悩む方も多いでしょう。

こういった状況に直面すると、多くの方がまず考えるのが市販薬による対処法ではないでしょうか。その心理は十分理解できます。

実際にネット上では、市販薬で取れたという体験談も見かけます。

でも、ドラッグストアで販売されている市販薬だけで顔のイボを除去することはかなり困難です。

顔のイボができる原因は、年齢や生活習慣が大きく関係しており、イボの種類によって治療方法も異なります。

ここでは、顔イボができる原因や顔イボの種類について詳しく説明していきます。

顔イボでお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

顔イボができる原因には、大きく分けて、2種類あります。

    1. ウイルスに感染してできるもの
    2. 加齢や体質によってできるもの

ウイルス感染の原因として知られているのが、「ヒトパピローマウイルス」や「伝染性軟属性ウイルス」です。

ウイルス性イボの場合は、人との接触で感染することもありますし、生活習慣によって感染することもあります。

また、ウイルス性以外のイボは「加齢」や「紫外線」「摩擦」が原因でできることが多いです。

イボの種類1:ウイルス性イボ​

尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)​

尋常性疣贅

「イボ」とは一般的に皮膚に盛り上がってできる小さい突起物のことで、医学的には「疣贅(ゆうぜい)」と呼ばれています。

イボができる原因は大きく分けて2つあり、1つはウイルスに感染してできるもの、もう1つは加齢や体質によってできるものです。

そして、「ヒトパピローマウイルス」の感染によって生じる皮膚の腫瘍の一種を「尋常性疣贅」と呼びます。

尋常性疣贅の特徴を整理しておきましょう。

  • 尋常性疣贅は、手の指や足の裏にできやすいイボです。
  • 指のささくれをはじめ、顔では産毛処理や髭剃り後にできる目に見えない傷、体ではかきむしった際の引っかき傷などに、手指についたウイルスが触れることで感染します。
  • 進行すると大きさが増し、10mm程度まで成長することもあります。

青年性扁平疣贅(せいねんせいへんぺいゆうぜい)

青年性扁平疣贅の特徴

  • とくに女性に多く見られるウイルス性のイボ
  • 額や脇、頬や手にできることが多い
  • 大きさは直径1cm以内で少し膨らみがあり、淡い褐色であることが多い
  • 発症時は複数個が同時にできることが多く、かゆみを感じる方もいる

※自分の皮膚同士で感染しやすく数が増えることもあるため注意が必要です。

※上記2種類のイボは触ると他の部位に広がったり、他の人に移したりしてしまうため早めの対応が大切です。市販の軟膏などを使用する方法もありますが、誤った使い方をすると悪化する可能性もあります。なかなか治らない場合は早めに皮膚科を受診することがおすすめです。

 伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)

伝染性軟属腫は小さい子供によく見られる「水イボ」のことを指します。

伝染性軟属腫の特徴

  • ウイルスが体内に侵入し感染することが原因でできる
  • 肌色やピンク色をした直径1〜3mm程度の小さいイボ
  • 顔や背中、胸、お腹、脇、臀部、手足や肘、膝の内側などにできやすい
  • 皮膚に直接触れることで感染する(タオルや浮き輪などを介しても感染するため幼稚園などで感染が広がる場合がある)
  • 痛みやかゆみはない
  • 半年から数年で自然と治ることが多い種類のイボ

イボの種類2:加齢や体質でできるイボ

脂漏性角化症​

脂漏性角化症

脂漏性角化症は、加齢や体質が原因でできる良性のイボ、良性腫瘍です。 ウイルス性イボではないため、人に感染することはありません。

<脂漏性角化症の特徴>

  • 出現率として40代以降の方にできやすいイボ
  • 脂漏性角化症は顔や頭部、胸部、背中などの日光露出部位にできやすいイボ(その他の部位にできることもある)
  • 手の平、足の裏にはできないイボ

色は褐色調から黒色で、大きさは直径数ミリのものから2〜3センチくらいでやや盛り上がりがあり、平坦に見えるものでも医療用の拡大鏡で見るとわずかに盛り上がっているのが特徴的です。

痛みやかゆみは通常はありませんが、患者さまによっては「たまにかゆみがある」と訴える方もいらっしゃいます。

特に脂漏性角化症が大きく成長するときにかゆみが生じることが多いです。

また脂漏性角化症は自然に消えることはありませんし、悪性化してがんになることもありません。

治療としては、液体窒素による治療や外科治療、炭酸ガスレーザー治療などが挙げられます。

注意していただきたいのが、まれに脂漏性角化症が全身に短期間で多数出現し、かゆみを伴う場合は、胃がんや大腸がんなどの内臓癌(がん)がある可能性があります。

短期間で多数発生した場合はなるべく早く、人間ドックや、内科でのがん検診を受けるようにしてください。

炭酸ガスレーザーの料金​

イボの大きさ価格
直径2mm未満3個5,500円
直径5mm未満5,500円
直径10mm未満11,000円
直径15mm未満16,500円
直径20mm未満22,000円

※20ミリ以上の場合は、19ミリを超えた1ミリごとに¥22,000へ¥1,100ずつ加算となり、20ミリで¥23,100、21ミリで¥24,200として計算します。
※初診料、麻酔代、軟膏、テープは別途必要です。

軟性線維腫(なんせいせんいしゅ):アクロコルドン・スキンタッグ

軟性線維腫(アクロコルドン)

軟性線維腫は良性のイボのため、他人への感染はないイボとなります。

軟性線維腫の特徴

  • 軟性線維腫は首や脇の下などにできやすい良性のイボ
  • イボの大きさは1〜3mm程度のものが多く、褐色系のイボが多い
  • 皮膚表面から少し飛び出しているのが特徴

軟性線維腫は良性のイボではありますが、衣類で擦れてしまったり、ネックレスに引っかかってしまったりなどが原因で、炎症を起こすことがあります。

また、症状が現れたばかりの頃は小さいイボ(軟性線維腫)ですが、年齢とともに少しずつ大きくなったり、数が増えることがあります。

そのため年齢を重ねると徐々に軟性線維腫は目立ってくる可能性が高いのです。

治療方法としては、液体窒素やCO2レーザーや物理的に切除する方法があります。

軟性線維腫は首にできやすい

軟性線維腫は、首やデコルテ、脇など摩擦が生じやすい部位にできやすい傾向があります。

フラルクリニックでは部位ごとのイボの特徴に合わせて、

  • 顔のイボ:炭酸ガスレーザー
  • 首や体にできた2mmを超えないイボ:mikoメソッド

での治療をご提案しております。

※2mmを超えるイボの場合は炭酸ガスレーザーでの治療をご提案しております。また、肌質やイボの形状により2mm未満でもmikoメソッドをおすすめできない場合もあります。

はじめてのイボ治療_おすすめ治療_251101

軟性線維腫などの首イボ治療方法について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

首イボ治療の料金

個数価格(税込)
イボ1個あたり¥1,740
イボ50個まで¥ 36,000(20個以上の治療はこちらがお得)
イボ51個目~¥600 (1個につき )

首イボ治療の副作用・リスク

赤み、ひりつき、まれに色素沈着の可能性があります。

脂腺増殖症

脂腺増殖症は、皮脂を分泌する皮脂腺が増えたり大きくなったりすることで発疹が出ます。

軟性線維腫や脂漏性角化症よりも深いところに根があり、治療の際は多くの場合は、多少の出血を伴います。

治療方法としては炭酸ガスレーザーを使用していきます。

脂腺増殖症の特徴

  • 脂腺増殖症は発疹の中心が凹んでいることが多い
  • 大きさは直径5〜6ミリ程度で、黄色や白色の膨らみのある発疹
  • 基本的に痛みやかゆみなどの症状はない
  • 鼻や額など皮脂が多く分泌されやすい部位にできることが多い

脂腺増殖症の発症の原因は明らかにされていません。

中年以降になってから発症する方が多いため、加齢が関係すると考えられています。

しかし、20代の方でも脂腺増殖症を発症することはありますので、「若ければ絶対に発症しない」というわけではありません。

若い人の場合は、女性よりも男性のほうが発症しやすいです。また、オイリー肌の人も発症しやすいことがわかっています。

老人性血管腫

老人性血管腫(赤イボ)

「老人性血管腫」はいわゆる「赤ホクロ」といわれるものです。

通常、ホクロは黒いものですが、赤いホクロのような斑点が顔や体に現れることがあります。

老人性血管腫の特徴

  • 老人性血管腫は、凹凸のない数ミリのものから1センチを超えた隆起したものもある
  • 紫外線に当たりやすい部位や、刺激を受ける部位にできやすい

皮膚の中の毛細血管が異常に増えることで、ホクロ状の赤い発疹ができます。

いくつか治療方法はありますが、最もキレイに治療ができるのはレーザー治療です。

保険診療になる顔イボと自費診療になる顔イボ

保険診療の対象になることが多い顔のイボ

miko先生の診察

顔にできるイボのうち、ウイルス感染を背景とした尋常性疣贅や青年性扁平疣贅などは、一般的に保険診療の対象となることが多いイボです。

ウイルスをしっかりと死滅させることが目的になるため、液体窒素による凍結療法や、内服薬、外用薬などを組み合わせて治療していきます。

ただ、保険診療では、治療にかかる自己負担が抑えられる一方で、通院回数が必要になったり、治療後の色素沈着が残りやすいなど、仕上がりの面での限界もあります。こうしたメリットとデメリットを理解したうえで、どこまでを保険診療で行い、どこからを自費診療で整えるかを考えていくことが大切です。

美容目的と判断されやすい顔イボ

脂漏性角化症や軟性線維腫、脂腺増殖症、老人性血管腫など、加齢や体質を背景とした良性のイボは、一般的には健康保険ではなく、美容目的の自費診療として扱われることが多いイボです。

かゆみや痛みなどの自覚症状があまりなく、見た目の印象が気になって受診されるケースがほとんどです。

これらの病変は、液体窒素で治療することも不可能ではありませんが、炎症後の色素沈着が目立ちやすかったり、肌質によっては跡が残りやすいことがあります。


そのため、顔の印象をできるだけ自然に整えたい場合には、炭酸ガスレーザーなどの自費治療を選択することをおすすめしています。

FLALUクリニックでの治療の選び方

miko先生診察

当院では、まず診察でイボの種類やお肌の状態を丁寧に確認し、そのうえでお悩みの程度やライフスタイル、治療にかけられる期間やご予算などを伺いながら、患者さまそれぞれに合った無理のない治療プランをご提案しています。

小さなイボを少しずつ整えていく方法から、一度にしっかり取りたい場合のレーザー治療まで、いくつかの選択肢の中から一緒に相談して決めていくイメージです。

顔イボの治療について不安なことや迷っていることがあれば、カウンセリングだけのご相談でもかまいません。ご相談はいつでも無料ですので、おひとりで抱え込まず、どうぞお気軽にご予約ください。

顔イボの除去は皮膚科で!顔のイボ取り治療法は?

液体窒素での顔のイボ取り・顔イボ治療

液体窒素で顔イボを取る治療は、保険診療で治療が可能で、どこの皮膚科でも施術できるため、手軽です。

液体窒素による治療は、ウイルス性のイボの治療には効果的です。老人性のイボや小さい首イボなどには、別の治療方法をおすすめします。

液体窒素での顔のイボ取り治療のメリット

  • 液体窒素による治療は、保険治療に該当するため1回1,500円程度で治療が可能
  • 保険治療を行っている皮膚科であれば、どこの皮膚科でも治療可能

液体窒素での顔のイボ取り治療のデメリット

  • ヒリヒリした痛みがある
  • 痛みは1日ぐらい続く
  • 同じ場所に数回の治療が必要
  • 取れるまでトータルで数ヶ月かかることもある
  • 2〜4週間隔で治療
  • 1〜2ミリほどの小さいイボは取れないことがある
  • 炎症後色素沈着と呼ばれるシミができる

顔のイボ取り後の炎症後色素沈着について

炎症後色素沈着(シミ)は、液体窒素法を行った方の9割ほどに見られる副作用です。
顔のイボ取りを考えている方は、このシミの特徴をぜひおさえておきましょう。

顔のイボ取り後の炎症後色素沈着の特徴

  • イボが取れて1ヶ月ほどすると、シミが現れる
  • 色素沈着が取れるまでに半年〜1年ぐらいかかる
  • 自費の美白剤を使用したほうが早く取れる
  • 1〜2mmのイボを治療すると、イボよりも一回りも大きいシミになる

このように液体窒素での治療はデメリットも大きいため、当院では顔のイボ取り治療の際は「炭酸ガスレーザー」を使用していきます。

炭酸ガスレーザーによる顔のイボ取り治療

炭酸ガスレーザーとは、CO2レーザーと呼ばれている機械です。老人性イボ(脂漏性角化症)、ホクロ、ニキビ跡、傷跡など、主に皮膚の上の凸凹を改善するのに役に立つタイプのレーザーです。

顔のイボを取る施術にも使用します。

「メスのように切ったり削ったりできるレーザー」とイメージして頂ければ間違いありません。

「ホクロをメスで切って取る代わりに炭酸ガスレーザーで削り取る」、そんな使い方をする機器です。

「炭酸ガスレーザー」 ……「切る・削る」

炭酸ガスレーザーは「削る」ことができるため、盛り上がったイボを取ることができます。

顔のイボ・体のイボは炭酸ガスレーザーで治療が最もおすすめだといえます。

炭酸ガスレーザーの副作用・リスク

発赤、痛み、表皮剥離、くぼみ、色素沈着、色素脱失、内出血、傷跡の可能性があります。

炭酸ガスレーザー治療のメリット

通常のメスによる治療との違いやメリットをお伝えします。

  1. 炭酸ガスレーザーでイボを削り取るため、 1回でイボが取れる
  2. 炭酸ガスレーザーのほうがメスよりも細かいものまで治療ができる
  3. 炭酸ガスレーザーは皮膚を焼きながら削るため、血を止めることができる

炭酸ガスレーザー治療に向いているイボ

顔イボの中でも、脂漏性角化症は特に多く見られる代表的なタイプです。脂漏性角化症によるイボには、炭酸ガスレーザーによる治療が1番おすすめです。

顔イボ_CO2レーザー_10mm大

施術名
CO2レーザー(炭酸ガスレーザー)

施術の説明
レーザーにより、イボを除去する治療です。

施術のリスク・副作用
発赤、痛み、表皮剥離、くぼみ、色素沈着、色素脱失、内出血、傷跡の可能性があります。

施術の価格表示
11,000円

CO2レーザーの詳細へ

顔イボ_10mm未満症例

施術名
CO2レーザー(炭酸ガスレーザー)

施術の説明
レーザーにより、イボを除去する治療です。

施術のリスク・副作用
発赤、痛み、表皮剥離、くぼみ、色素沈着、色素脱失、内出血、傷跡の可能性があります。

施術の価格表示
11,000円

CO2レーザーの詳細へ

Co2レーザー経過

施術名
CO2レーザー(炭酸ガスレーザー)

施術の説明
レーザーにより、イボを除去する治療です。

施術のリスク・副作用
発赤、痛み、表皮剥離、くぼみ、色素沈着、色素脱失、内出血、傷跡の可能性があります。

施術の価格表示
22,000円

CO2レーザーの詳細へ

また、現在はウイルス性イボである尋常性疣贅に関しても、医師の判断によって、同様にレーザー治療を行う場合があります。

(2022年6月の皮膚科学会の発表で、「尋常性疣贅」の場合でも、表皮の過増殖が中心の病変であるため、「レーザー治療が適応である」ことが報告されました。)

炭酸ガスレーザー治療までの流れ

カウンセリング

炭酸ガスレーザーでの治療は、「切る・削る」というタイプになりますので、治療に痛みが伴います。

当院では治療個数やご希望に合わせて2種類の麻酔方法を準備しております。

顔のイボ取り治療の流れ

1. クリニックにご来院

2. 受付にて患者さまの身分確認をさせていただきます(初診の方は保険証の提示をお願いしております)

3. 問診票を記入

4. スタッフによるカウンセリングを実施

治療希望部位の確認や治療方法の説明、治療後のダウンタイムやリスクについて詳しく説明します。

※顔イボを炭酸ガスレーザーで治療する方は説明後に洗顔をし、顔写真を撮影させていただきます。

5. ドクターの診察があります。再度治療についての説明などがあります。

6. 診察後に治療に伴っての同意書に説明に入ります。同意頂けたら同意書に記入に移ります。

7. 次に麻酔に入ります。

・治療の数が5個以下で注射の痛みが我慢できる方は麻酔注射を使い麻酔を効かせていきます。
・麻酔注射の場合は麻酔時に注射の痛みはありますが麻酔の効きが早いことと、治療時の痛みがほとんどありません
・治療の個数が多い方や注射の痛みが苦手な方は麻酔クリームを使用し麻酔を効かせていきます。
※麻酔クリームの場合は麻酔時の痛みはありませんが、麻酔が効くまでに20分〜30分かかります。また治療時に多少の痛みが伴うことが考えられます。
※治療の数が多くても1個1個の大きさが大きい場合は麻酔クリームではなく麻酔注射をおすすめします。

8. 麻酔後、レーザー治療に入ります。

※治療の個数により治療にかかる時間は変わってきます。

9. スタッフが治療部位の処置をします。(軟膏処置+テープ貼付)

10. 患者さまに家での処置の方法や注意点を説明し、処方する物品をお渡しします。

11. 受付にて待機

12. お会計

※2週間後の経過観察についてはこのときに予約いただくのがスムーズです。

13. 帰院

顔イボを放置するとどうなるか

ウイルス性の顔イボを放置した場合に起こりやすいこと

ウイルス性の顔イボを放置した場合に起こりやすいこと

尋常性疣贅、青年性扁平疣贅、伝染性軟属腫などのウイルス性の顔イボは、肌のいちばん外側にある表皮の細胞にウイルスが入り込むことで増えていく病変です。

見た目は小さなポツポツでも、放置してこすったり、ひっかいたりするうちに、同じ顔の中で数が増えたり、首や手など別の場所へ広がってしまうことがあります。
家族とタオルやカミソリを共有している場合には、家庭内でうつってしまうこともあるため、早めの受診が大切です。

ウイルス性イボは、自然に小さくなっていくこともありますが、数年単位で長く続くケースも少なくありません。
大きくなってからや、数が増えてから治療を始めると、通院回数が増えたり治療後の色素沈着が目立ちやすくなったりすることがあります。

小さなうちに専門医が状態を確認し、適切な方法で治療を始めておくと、治療期間や肌への負担を軽くできることが多いです。

加齢や体質による顔イボを放置した場合に起こりやすいこと

脂漏性角化症や軟性線維腫など、加齢や体質を背景とした顔イボは基本的に放置していても、自然に消えることはほとんどありません。

大きさも数も、少しずつ時間をかけて増えていくことが多く、若い頃は気にならなかったものが、年齢とともに目立つようになり、メイクでは隠しにくくなることがあります。
とくに脂漏性角化症や軟性線維腫は、衣類やマスクとのこすれによって赤くなったり、かゆみが出たりして初めて気づく患者さまもいらっしゃいます。

小さいうちであればレーザー治療の範囲も少なくて済み、傷跡や色素沈着も目立ちにくくなることが多いため、見た目の変化がすこしでも気になり始めた段階で医師に相談しておけば、将来の負担を減らすことにつながります。

イボに似た見た目の悪性腫瘍を見逃さないために

顔にできる小さな盛り上がりの中には、見た目だけでは良性のイボと見分けがつきにくい皮膚の悪性腫瘍も存在します。

左右の形が不ぞろいだったり、一部だけ急に黒くなってきたり、短い期間で一気に大きくなってきた場合、出血やジクジクした状態が続く場合には、単なるイボではなく、別の病気が隠れていることもあります。

こうした変化を、自分の判断で顔イボだと決めつけて市販薬を塗り続けてしまうと、診断が遅れる原因になることがあります。

皮膚科では、肉眼での診察に加えて、必要に応じて拡大鏡などを用いて、良性かどうかを丁寧に確認していきます。
見た目が小さくても、いつもと違う変化があると感じたときには、自己判断で様子を見るより、いったん専門医に相談しておくと安心です。

顔イボで自己処置を避けたほうがよい理由

市販薬を顔イボに使うときに注意したいポイント

ドラックストア

ドラッグストアには、角質を柔らかくしたり、溶かしたりするタイプの外用薬が販売されています。

手足のイボに使用することを想定した薬剤も多く、一部は成分の濃度が高く設定されています。
顔の皮膚は体の他の部位に比べて薄くデリケートなため、そういった薬を手足と同じように顔に塗ってしまうと、想定以上に皮膚が溶けてしまい、赤みやヒリヒリとした痛みが続いたり、かえって濃いシミとして残ってしまうことがあります。

顔イボだと思って市販薬を塗った場所が、実はイボではなく、ほくろや別の疾患である場合もあります。

そのような場所に角質を溶かす強い薬を塗り続けると、治療が必要な病気の発見が遅れるだけでなく、炎症が続くことで傷跡が残るリスクも高くなります。

刺激の強い市販薬を自己判断で顔に使う前に、いちど皮膚科で相談してから使用することをおすすめします。

顔イボを自分で切る、削る、こすることの影響

気になる顔イボをご自身で切ってしまいたくなる、という声もよく聞かれます。
しかし、イボの根は目に見える部分よりも深い場所に及んでいることもあり、表面だけを切り取っても、時間の経過とともにまた同じ場所に再発してしまうことがあります。

無理に引っ張ったり、こすったり、自己流で削ってしまうと、皮膚の表面に細かい傷がたくさんでき、 そこから新たにウイルスが入り込んで、かえってイボの数が増えてしまうこともあります。
また、傷が深くなると、治ったあとに凹みが残ったり、赤みや茶色いシミが長く続く原因になります。

顔イボの自己処置は結果的に治療を難しくしてしまうことが少なくありません。
気になっても触りすぎず、専門的な治療にゆだねることが大切です。

自己処置した顔イボが悪化してから受診される方も

最初は小さなイボだったものを、長期間こすったり、市販薬を塗り続けたりした結果、 赤みや色素沈着が広い範囲に残ってしまった状態で受診される方もいらっしゃいます。

そのような場合、まずは炎症や刺激によるダメージを落ち着かせるところから治療を始める必要があり、 当初のイボを取るだけの治療よりも、どうしても時間がかかってしまいます。

最初から皮膚科で相談していれば、より安価で負担の少ない治療で済む可能性もあり、 自己処置が悪化してからの受診は、結果として患者さまご自身の負担を増やしてしまいます。

顔イボが気になり始めた段階で、まずはいちど専門医に相談していただくことが、 遠回りに見えて実は近道になることが多いです。

顔イボをできにくくするための生活習慣と予防

ウイルス性の顔イボを広げないために意識したいこと

顔イボ

ウイルス性イボの場合、顔の中で増やさないことと、家族など周囲の人に広げないことが、予防の中心になります。

イボを見つけた部分は、できるだけ触らないように意識し、どうしても触れてしまった場合には、その都度丁寧に手洗いをする習慣をつけると安心です。

また、ひげ剃りのカミソリや電動シェーバー、タオルなどを家族と共用していると、刃や繊維を介してウイルスが広がることがあります。
顔イボがある間は、肌に直接触れる日用品はできるだけ自分専用のものを用意し、清潔な状態を保つことが予防につながります。

加齢性の顔イボが増えにくいスキンケア

脂漏性角化症など、加齢や紫外線、摩擦の影響を受けやすい顔イボの場合、日常のスキンケアや生活習慣を見直すことで、将来の増え方をゆるやかにできる可能性があります。

とくに顔まわりは一年を通して紫外線にさらされやすいため、季節を問わず日焼け止めを取り入れ、外出時間が長い日は、帽子や日傘などの物理的な紫外線対策も意識しておくと安心です。

洗顔やクレンジングのときに、ゴシゴシと強くこする習慣があると、皮膚の表面が少しずつダメージを受け、将来的にイボやくすみの原因につながることがあります。

洗い流すときは、泡やクレンジング剤を手のひらでなでるように動かし、タオルで水気をふき取るときも、やさしく押さえるようなイメージでやさしく水分を取ると摩擦を減らすことができます。

毎日の生活の中で続けやすい顔イボ予防を

急に完璧なケアに切り替える必要はありませんが、できるところから少しずつ習慣を変えていくと、長い目で見たときに肌への負担を減らすことにつながります。

たとえば、睡眠不足や偏った食事が続くと、皮膚のターンオーバーが乱れ、紫外線や摩擦のダメージから回復しにくくなります。
規則正しい生活リズムと、バランスの良い食事を意識することも、結果的には顔イボができにくい環境づくりにつながります。

すでにできてしまった顔イボを生活習慣だけで完全に消すのは難しいですが、治療とあわせて予防の工夫を続けることで、新しいイボが増えるスピードがゆるやかになることが期待できます。

ワンポイントアドバイス

顔に脂漏性角化症のイボが増える原因のひとつに、妊娠や出産があります。おそらくホルモンバランスの変化がきっかけとなり、イボができやすくなると考えられます。
同じように、子宮筋腫や更年期症状の治療でホルモン剤を使用している場合にも、イボが増えるケースがあります。治療を続ける中でイボが目立ってきたと感じたときは、薬の変更が可能かどうかを、治療中のクリニックで相談してみてください。
また、イボは刺激が加わるとできやすい傾向にあります。紫外線のほか、洋服やマスクの「こすれ」などもイボの原因になりますので、ご注意ください。

ドバイザーの写真

顔のイボ取り治療でよくある質問

Q:顔イボは市販薬で自分で取れますか。

脂漏性角化症をはじめとする顔イボを取るための市販薬や塗り薬などがありますが、なかには医学的根拠が明確でないものもあります。

効率的に顔イボを治療したい場合はクリニックへ相談することが良いかと思われます。
市販薬の種類によっては、イボが改善される可能性も考えられますが、根本的な治療はできません。

主な理由は3つあります。

  • 正しい方法で使用できない
  • イボの原因を正しく見極められず適した市販薬を選べない
  • 有効成分の種類や濃度が病院やクリニックの処方薬と異なる

イボを除去したいという気持ちが強い方は市販薬を利用するよりもクリニックを受診して根本的な治療を受けることがおすすめです。

Q:顔イボはヨクイニンで取れますか。

ヨクイニンは、イネ科の植物であるハトムギの種子に含まれる成分を抽出した内服薬ですウイルスに対する免疫を高めると考えられています。

そのためウイルス性ではなく、良性の脂漏性角化症などに効果が現れる可能性はかなり低いとされています。

大きな副作用はありませんが、まれにヨクイニンが体質的に合わない方は、服用すると下痢や腹部症状を起こす場合もあります。

また効果が出るまでに時間がかかることが多いため、まずは3ヵ月ほど内服するのが目安です。

Q:顔イボは増えますか。

ウイルス性のイボ→ウイルス性のイボは触っていると他の部位に広がったり、他の人に移したりしてしまう可能性があります。良性のイボ→良性のイボは加齢や体質によってできるイボに関しても、数は徐々に増えていくことが多いです。

Q:顔イボの治療はどのくらい痛みがありますか。

痛みの感じ方には個人差がありますが、液体窒素による治療では、患部を凍らせる瞬間に強い冷たさとチクッとした刺激を感じることが多く、その後も半日から一日ほどジンジンした違和感が残る方がいらっしゃいます。

炭酸ガスレーザーの場合は、事前に麻酔の注射や麻酔クリームを使用するため、レーザー照射中の痛みはかなり和らげることができますが、麻酔が切れたあとに、軽いヒリヒリ感が数日続くことがあります。
当院では、治療個数やイボの大きさ、患者さまの痛みの感じやすさに合わせて、麻酔方法や照射の強さを調整しています。痛みが不安な場合には、診察時に遠慮なくお伝えいただければ、できるだけ負担を少なくする方法をご提案します。

Q:顔イボ治療のあと、仕事や予定にどの程度影響がありますか。

治療直後は赤みやかさぶたが目立つ期間があります。部位にもよりますが、数日から一週間程度は、普段よりもメイクでカバーする必要があったり、テープや軟膏で保護する必要が出てきます。大きさや個数が多いほど、ダウンタイムも長くなる傾向があります。
お仕事の内容や、人前に出る機会の多さによって、気になるポイントは変わってきます。当院では、治療計画を立てる際に、直近のご予定も伺いながら、どのタイミングでどの範囲を治療するかを一緒に検討しています。

たとえば、大事なイベントや撮影が控えている場合には、その前後を避けて日程を組むなど、生活に合わせた調整が可能です。

Q:顔イボは一度取ればもう二度とできませんか。

いちど治療で取り除いた部位から、同じイボが再び生えてくることは少ないですが、イボの種類や体質によっては、近い場所に新たなイボが出てくることがあります。
とくにウイルス性イボは、周囲の皮膚にすでにウイルスが潜んでいる場合があり、治療後しばらくしてから別の場所に新しいイボが現れることがあります。

加齢性のイボは、体質や紫外線、摩擦などの影響を長い時間かけて受けてできるため、一度治療をしても、その後の年月とともに新しいイボが増えてくることがあります。
そのため、顔イボ治療は、一度で終わりというよりも、その都度気になるものを整えながら、生活習慣やスキンケアも見直していくイメージで考えていただくと良いかもしれません。

Q:初めて顔イボ治療を受けるとき、どのくらいの費用を見込んでおけばよいですか。

FLALUクリニックでは、初めての受診ではイボの種類や大きさ、数、できている場所などを確認したうえで、考えられる治療方法と費用の目安をお伝えしています。

ウイルス性イボに対して液体窒素で治療する場合は保険診療となり、初診料を含めても、1回あたりはおおよそ1,000〜2,000円前後に収まることが多いです。ただ、液体窒素は1回で治療が完了することは少なく、イボが複数ある場合や根が深い場合には、2〜4週間おきに何度か通院していただきながら少しずつ治していくイメージになります。

一方、ウイルス性ではないイボに対して炭酸ガスレーザーで除去する場合は自費診療となります。
初診料3,300円のほか、イボの大きさに応じて、たとえば直径2ミリ未満の小さなイボであれば3個で5,500円、直径20ミリ未満のイボであれば1個22,000円、20ミリを超える場合は、19ミリを超えた1ミリごとに¥22,000へ¥1,100ずつ加算となり、20ミリで¥23,100、21ミリで¥24,200として計算します。(そのほか麻酔、軟膏、テープ代が別途必要です。)

当院では、診察当日にそのまま治療をご希望される場合でも、事前に必ず費用と治療回数のおおよその見込みを確認していただいてから進めるようにしています。
治療にかけられる期間やご予算、ご希望の仕上がりに合わせて、ご負担の少ない方法をご提案しますので、気になることがあれば遠慮なくご相談ください。